映画“ミッション:8ミニッツ” 感想

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2011年のアメリカ映画“ミッション:8ミニッツ”(原題:Source Code)を見て、誰かに話をしたい、墓場まで持っていきたい、作品だったので紹介しようと思う。

音楽ブログなのに、なぜ音楽とは無関係の映画? と思われる方もいるかもしれない。実は、ヴィジュアル系ロックバンドAngeloのキリトのYouTubeラジオ「深夜で切人」にて紹介されていた。そこでは、量子物理学を学ぶのに良書はあるか、と視聴者からの質問にキリトがこの映画を薦めていたのだ。ラジオでほとんどネタバレしてしまって、作品の結末を知ってはいたが、それでも興味を持ったのでBlu-rayを購入した。

結論は、ストーリーもさることながら映像や音響、そして演技も素晴らしく、良作だった。管理人はストーリー重視で映画を見ており、これまで鑑賞してきた中では、1997年の”ガタカ”(原題:Gattaca)”グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち”(原題:Good Will Hunting)、2000年の”オーロラの彼方へ”(原題:Frequency)を墓場まで持っていきたい映画3傑と選んでいた。その中にこの“ミッション:8ミニッツ”を追加したい、そう思える作品に出会えたことが非常にうれしい。終わったあとに、この感動を誰かに伝えたい衝動に駆られるそんな映画だった。

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以下、ネタバレも含めて書いていこうと思う。興味を持った方は、まず映画を見てほしい。


空撮によるきれいなシカゴの街並みから映画は始まる。通勤列車の中で、主人公が目覚める。目の前にヒロインがいる。ヒロインが美女で名演技なのもこの映画のポイントだ。視聴者も映画の状況を確認しているのだが、主人公も実は何がなんだかわからない状況だ。そして、列車は爆発してしまう。

目覚めると狭いコックピットの中にいる。モニタ越しに通信士らしき女性がいる。こちらでもよくわからない状態の主人公。だが、この主人公は軍人でヘリコプターの操縦士であった。女性から爆破テロの犯人を特定するように言われる。

また、通勤列車の中で、主人公が目覚める。目の前にヒロインがいる。ここからこの8分間と、爆発してコックピットの中に戻ることを繰り返していく。主人公は繰り返しの中で、犯人を捜すと同時に、ヒロインに魅かれていく。この辺、さすが軍人で優秀とされるヘリのパイロットだと思えるシーンだ。何もわからなくても、上官の命令は絶対である。爆破テロの犯人を捜せと言われて探す主人公はその鏡である。8分間の中で、主人公の動きが変わると周りの人間の動きも変わる。通信士らしき女性の上司から、量子物理学を使ったシステムであることを知らされる。すでに発生した爆破テロの体感できる。主人公はその爆破テロの中で亡くなった一人となって、犯人を捜していた。犯人は次のテロを計画しており、そのときが差し迫っていた。

ヒロインの助けも借りて、主人公は自分が戦死していたことを知る。戦死した息子を誇りに思うと語る主人公の父親のラジオも聞かされる。実は瀕死の重傷を負っていて、このシステムにつないで秘密裏に生かされていた。主人公は通信士の上司に激高する。そして、任務達成の暁には死を望むと主人公は話す。

通勤列車に戻り、列車にパスケースを忘れたが、やさしいほかの乗客によって電車を降りる前にパスケースを渡された男を見つける。その男はパスケースを受け取ったあと、列車の別のドアにパスケースを置いて、駅へと消えていった。それを見つけた主人公は列車でパスケースを確認する。そう、パスケースを列車に残して爆発することで犯人は爆破テロの犠牲者のひとりとして隠れていたのだ。主人公はついに犯人へとたどり着く。しかし、主人公もそしてヒロインも犯人の凶弾にやられてしまう。犯人の乗るワンボックスカーを挟んで倒れている二人が、ワンボックスカーが出発してから、二人の見つめあうシーンのなんとも悲しいこと。ここが主人公の次への扉を開く鍵となっているのだと思う。

8分間経過して、コックピットの中に戻った犯人は通信士の女性に犯人の名前とワンボックスカーの番号を伝える。そうして、犯人は逮捕され、次のテロは阻止成功した。ハッピーエンドである。

ハッピーエンドなのは、生きている人たちだけで、主人公はシステムの一部として生かされているだけだ。主人公は通信士の女性に依頼する。もう一度、列車に送ってほしい、そして8分が経過したら生命維持を切ってほしい、と。このとき、女性は主人公に安らかな死を与えたいと思ったのだろうが、実は違うのだ! 主人公は列車に戻って、さっさと犯人を捕まえて(犯人の何が何だかわからないけど、もうお先真っ暗という感じの演技がまた秀逸)、仲違いして別れてしまった父親に友人のふりをして電話する。父親も主人公も互いに思いあっていたことがわかる。ここはぐっとくるね。そして、システムが終わる8分の直前には列車に乗っていたコメディアンによって、列車中が笑顔になっている。主人公もヒロインとキスをする。

通信士の女性は、上司の必死の静止を振り切り、約束の8分で主人公の生命維持装置を止める。上司と軍人が入ってきて、脳に電極が刺しており、下半身を失っている主人公がいた。

8分を過ぎても主人公は列車の中にいる。そして、ヒロインと一緒に列車爆破テロが未然防止できた新しい世界を歩き始める。その世界の通信士はメッセージを受け取る。それは列車爆破テロが阻止できたのは、メールの送り主と通信士の手柄であること、まだ稼働していないシステムが別の並行世界に移動できる装置であること、そして、主人公を手伝ってほしいという内容だった。

主人公の大逆転勝利が気持ちいい。実際は一度死にかけて、別人となって生きているのだが。それでも美しいヒロインと新しい人生を送るのもよいだろう。

主人公の「もしあと1分の命だったら何をする?」「俺は父親と話がしたい」というところ、「きっとうまくいく」をいろいろなところで挟んでくるところ、いいんだよね。

ものすごい予算がある映画ではないのだが、ストーリーや演技や構成で盛り上げてくれるところが好きだ。主人公の父親が声の出演しかないのも予算の都合らしいが、それがまたいい味を出している。これは名作だ!

AngeloのキリトのYouTubeラジオ
【RADIO】人にモノを説明するときに気をつけていること 他【深夜で切人 #12】


(映画の解説、ネタバレのところから始まるように設定してみた)

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