2022年10月にトヨタ自動車の「カローラ」シリーズ(カローラ、カローラスポーツ、カローラツーリング)の一部改良(マイナーチェンジ)が発表された。ガソリン車ではターボ廃止や排気量が変更された。トヨタハイブリッドシステム(THS)も改良され、排気量は1.8Lのまま、ノア/ヴォクシーと同じ第5世代が搭載された。
以前の記事同様、データを見ていこう。
データ
諸元を表にまとめた。トヨタハイブリッドシステムの第5世代の特徴が見えてきた。
リチウムイオン電池を搭載し、容量は4.08Ahのようだ。
驚きなのは、マイナーチェンジで第4世代から第5世代に進化させた点だ。リチウムイオン電池の容量は3.6から4.08Ahに大きくなった。単純に考えると電池を多く積んでいるのだから、サイズが大きくなる。もともと大きめに作っていたから電池を大きくしても大丈夫なんてことはしないだろう。つまり、電池の容量は大きくなったが、サイズはそのままかもしかしたら小さくできたと考えるべきだ。
その他のハイブリッドシステムの改良もマイナーチェンジの中で実施し、3車種とも車重は変更しなかった。もしかしたらハイブリッドシステムは重くなったが、ほかの部品で軽くして全体としてプラスマイナスゼロとなっているかもしれないが。
第5世代の車が増えてきたので、世代別の車重と燃費の関係が見えてきた。ノア/ヴォクシーの第5世代の登場は、必然的であったことは前回の記事で書いた。第4世代は1300~1450kgまでの車重では燃費がよいが、それ以上の車重では燃費が1つ前の世代(第3世代)よりも悪化する可能性があった。
カローラシリーズで第5世代が搭載され、車重と燃費の関係が見えてきた。第3世代に対して、どの車重でも燃費が向上しているのが第5世代である。
では、第4世代の意味はというと。プリウスの圧倒的な燃費がグラフからもわかる。第4世代は車重が大きいときの燃費に難がありそうだが、1300kgあたりでは今のところ第5世代のどの車種よりも燃費が優れている。
今後は第4世代で取り残されているプリウス、C-HR、カローラクロスの動向が気になるところだ。現在のモデルはプリウスが2015年、C-HRが2016年、カローラクロスが2021年に登場した。モデルライフを6年とすれば、プリウスもC-HRもそろそろ新型になりそうだ。果たして第5世代のトヨタハイブリッドシステムが搭載されるのか、それとも第6世代とさらなる進化を遂げるのか。はたまた近年のバッテリー電気自動車(BEV)の流れを受けて、ハイブリッドをやめてBEV専用モデルとなるのか。楽しみである。
カローラクロスについてはカローラシリーズと同じようにマイナーチェンジで第5世代になるのではないか。時期はモデルライフの半分の3年と考えると2024年ぐらいか。
カローラシリーズのマイナーチェンジ前後の車重と燃費の関係の変化を見ていこう。車重はどの車種も変更なし、燃費はカローラ、カローラツーリングの順番で向上し、カローラスポーツは変わらず。カローラシリーズの燃費が一番よい車種はマイナーチェンジ前はカローラスポーツ(ハッチバック)であったが、マイナーチェンジ後にはカローラ(セダン)となった。
まとめ
カローラシリーズのハイブリッドシステムが第5世代になり、ノア/ヴォクシーと合わせてデータが増えてきたので確認した。
第3世代と同様の車重と燃費の関係を示しつつ、どの車種においても第3世代よりも燃費が向上した。
現在のところ燃費が一番よいのが第4世代のプリウスである。
プリウスはそろそろモデルチェンジの時期で、トヨタハイブリッドシステムの第5世代を搭載して燃費を更新してくるか、それとも違うことになるか。
カローラシリーズのハイブリッドは第5世代になったが、車重は変わらず。燃費はカローラスポーツは変わらず、カローラ、カローラツーリングの順番で向上し、一番燃費がよいのはカローラである。
データ出典
現行モデル
生産終了モデル
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