海外のミュージシャンやバンドでは、メンバーが流動的である。このバンドの人は実は以前あのバンドに所属していたなんてことがあって、そこから調べていって曲を聴いてみることもあるだろう。
過去の記事で、著名なギタリストと共演してきたボーカルがいることは記した。やはり実力があるミュージシャンは次々と共演の話が舞い込むのだろう。
今回は著名ギタリストと共演してきたリズム隊(ベースとドラム)を紹介したい。ベースのバリー・スパークスとドラムのシェーン・ガラースである。
ベース バリー・スパークス 動画
Ultrasoul BassCam – NISSAN STADIUM
ドラム シェーン・ガラース 動画
二人でのこれまでの歩み
まず、二人が共演したのはスウェーデンのギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンのバンドであった。1995年のアルバム”MAGNUM OPUS”でメンバーリストに二人の名前があった。
その1年後の1996年にはドイツのギタリストのマイケル・シェンカー・グループのアルバム”WRITTEN IN THE SAND”で二人の名前があった。その後、二人はライブツアーにも同行した。2000年まで続いた。
管理人としては、マイケル・シェンカーのほうのアルバムを見たときに、ベースとドラムの名前をどこかで見たなと思った。そして、イングヴェイ・マルムスティーンのアルバムを引っ張り出して確認すると二人の名前があった。
そのあとはインターネットで検索したら、二人はB’zのサポートをしていることがわかった。2003年にB’zでリズム隊を組むが、2004年からベースのバリー・スパークスは不参加になった。2008年にベースのバリー・スパークスが復帰し、2019年のスタジオアルバムまで長期にわたってB’zのリズム隊であった。スタジオアルバムでは、2009年の”MAGIC”、2011年の”C’mon”、2015年の”EPIC DAY”、2017年の”DINOSAUR”、2019年の”NEW LOVE”(ただし1曲のみ)である。
2022年現在、二人は特にバンドに所属せず、別々の道を歩んでいるようだ。
ボーカルがいろいろなバンドを渡り歩くことはあるが、リズム隊(ベースとドラムがそろって)がバンドを渡り歩くことはかなり珍しい例だろう。しかもギターの王者と言われるイングヴェイ・マルムスティーン、ギターの神と言われるマイケル・シェンカーと共演した。B’zのギターの松本孝弘はギターメーカーのギブソンのシグネチャー・アーティスト(世界で5人目、日本人では初の快挙)である。Tak Matsumotoとして世界に認知されている日本人ギタリストである。
次はどんなギタリストと共演するのか楽しみに待ちたい。
二人の参加した楽曲、ツアーの感想
スタジオアルバムでの彼らの活躍は、イングヴェイ・マルムスティーンのネオクラシカル・メタルでもマイケル・シェンカーのハードロックでも確実にボトムを支える安定感と技術力で楽曲を支えていることだろう。残念な点で言えば、これらアルバムがイングヴェイやシェンカーのディスコグラフィーの中で地味であったことだ。
それでも、イングヴェイの”Vengeance”(ギターソロのフレーズが管理人一押し。最後に再びフレーズを聞ける)や”Fire In The Sky”(サビメロの不思議な感じがくせになる疾走曲)などは良曲であるし、シェンカーの”Essenz”(シェンカーの娘の名前らしい。多才のフレーズが聴ける)はインストゥルメンタルの良曲だ。
シェンカーのThe Unforgiven Tourのライブビデオの”Into The Arena”の二人のソロがすごかった。ベースとドラムの二人のテクニックはもちろん、息のぴったり合ったプレイは見ものである。
B’zはあまり詳しくないので言及を避ける。
著名なギタリストがいて、バンドの顔であるボーカルがいる中、裏方のイメージが強いベースとドラムであるが、多くの人に知ってもらいたい。ベースのバリー・スパークスとドラムのシェーン・ガラースはそれぞれ個別でも活躍しているが、二人がタッグを組んでリズム隊としてギタリストやバンドを支えていることはハードロック、ヘヴィメタルではあまり知られていないのではと思う。B’zのファンにはとても認知されていると思うが。
二人が参加したスタジオアルバム
1995年 YNGWIE MALMSTEEN – “MAGNUM OPUS”
1996年 MICHAEL SCHENKER GROUP – “WRITTEN IN THE SAND”
2009年 B’z – “MAGIC”
2011年 B’z – “C’mon”
2015年 B’z – “EPIC DAY”
2017年 B’z – “DINOSAUR”
2019年 B’z – “NEW LOVE”(ただし1曲のみ)
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