CONCERTO MOON(コンチェルト・ムーン)は日本のネオクラシカルメタルバンドである。イングヴェイ・マルムスティーン、リッチー・ブラックモアからの影響を色濃く受けるギターでリーダーの島紀史がバンドを率いている。
1997年にデビューして、2024年で27年目。一貫してネオクラシカルメタル、様式美メタルを守り続けている信念がすばらしい。日本が誇るメタルバンドである。
“FLAGMENTS OF THE MOON” (1997年)
おすすめ度:☆☆☆
記念すべきデビューアルバムである。#1″Alone In Paradise”からネオクラシカルメタルのキラーチューンである。ボーカルの尾崎隆雄は、線こそ細いもののクリアなハイトーンで、このサウンドにマッチしている。イングヴェイの雰囲気を感じる楽曲が多い。ラスト#9″Take You To The Moon”もギターとキーボードのソロバトルもあるキラーチューンである。インディーズのため、音質やジャケットにやや難があるが、純度の高いネオクラシカルメタルを展開してくれて感激である。
“FROM FATHER TO SON” (1998年)
おすすめ度:☆☆☆☆
2ndアルバム。キーボードが原田修から本作から小池敏之に変わった。VAPからメジャーデビューである。メジャーのメリットであるサウンドプロダクションの向上がなされている。その一方でサウンドがポップ路線にされるなど丸くなる可能性があったが、その心配は杞憂に終わった。ネオクラシカルメタルのみが展開される。なおかつ、個々の楽曲のクオリティが高い。疾走チューンでギターソロもいかす#1″Dream Chaser”やハモンドオルガンのリフがかっこいい#2″Surrender”に泣きギターが聴けるバラードの#5″One And Only”など。タイトルチューンの#6″From Father To Son”はバンドの最高傑作と言っていいだろう。言葉の響きも様式美の雰囲気が出ているし、リフを聴けば高揚するし、歌詞も歌メロも涙もので素晴らしい。ラストの#10″Change My Heart”もネオクラシカルメタルの訴求力の高い楽曲だ。
“RAIN FOREST” (1999年)
おすすめ度:☆☆
3rdアルバム。短いインストの#1から疾走曲の#2でスタートする流れ、ミドルテンポで聞かせる#3、イントロもソロもギターが弾きまくりでガッツポーズの#4といい。#6は泣きギターのインスト。ギタリストのバンドであるが、インストは3rdアルバムで初収録。#7のギターソロ、キーボードとのツインリードソロは聴きどころ。アルバムの後半の印象はやや弱いが、全体のレベルが上がった。でも、1stや2ndであった強烈な高揚感が薄れてしまった。
“GATE OF TRIUMPH” (2001年)
おすすめ度:☆☆☆
4thアルバム。ボーカルが尾崎隆雄から井上貴史に変わった。Norifumi Shima with CONCERTO MOON名義での発表。短いインストの#1から、疾走チューンのインストの#2″To Die For”へ。これがかなりよい。続く#3の”Over And Over”で熱いパワーシャウターのボーカルが聴ける。これがまたかっこいいためボーカルチェンジの印象はよい。タイトルチューンの#4も疾走チューンのインストで気持ちがいい。#5がインストが、#6、#7がボーカルあり、#8、#9がインスト。#10、#11は1stアルバムの名曲を英詞で井上のボーカルにしたもの。ギターがより弾きまくっている。
“DESTRUCTION AND CREATION” (2002年)
おすすめ度:☆☆
企画盤である。1st~3rdまでの楽曲を井上貴史のボーカルに変え、ギターソロも変更したもの。名曲は名曲で楽しめる。ボーカル違いで聞けるのも楽しみの1つだろう。新曲の#10~#12はドラムが佐藤潤一になっている。ボーカルありは#12のみ。ベースが活躍する数少ない楽曲だ。
初回限定盤は2枚目があり、”Over And Over”と”Gate Of Triumph”のライブバージョンが収録されていた。
“LIFE ON THE WIRE” (2003年)
おすすめ度:☆☆☆
5thアルバム。ドラムが長井一郎から佐藤潤一に変わった。井上のタイプに合わせた力強い#1に、リフ・Bメロ・サビ・アウトロのギターソロまでかっこいい#2″It’s Not Over”の流れでつかみは抜群。#6はネオクラシカルメタル全開のインスト。#9のバラードも井上のボーカルが印象的だ。#11は泣きギターをフィーチャーしたインスト。ラストの#12″Glorious Death”はキーボードの下がっていく音階が悶絶ものの疾走曲。まとまりがよいアルバムだ。初回限定盤のみ#13には#2のギターエクステンデッドバージョンが入る。
“AFTER THE DOUBLE CROSS” (2004年)
おすすめ度:☆☆☆
6thアルバム。ベースが三谷耕作から木本高伸に、ドラムが佐藤潤一から竹岡祥一に変わった。ネオクラシカルメタルの要素を抑え、オーソドックスなヘヴィメタルのアプローチを感じる#1から始まる。井上の声との相性がいいし、ギターソロは弾きまくりでかっこいい。#5は曲名にふさわしいストロングで勇壮な曲だ。#7のバラードも井上のボーカルが挑戦的だ。ラストの#10にはネオクラシカルメタル全開のバンド名を冠した”Concerto Moon”がハイライト。
2枚目のボーナスディスクはカバー5曲。
“RISE FROM ASHES” (2008年)
おすすめ度:☆☆
活動休止から復活しての7thアルバム。ドラムが竹岡祥一から長田昌之に変わった。前作の流れであるネオクラシカルメタルを抑えたオーソドックスなヘヴィメタルのサウンドを継続。ヘヴィだし、井上のボーカルもパワフルだけど、何か物足りない。#6の陽気でハイテンションなイントロは好きだ。#8もキーボードがいい味を出した疾走チューン。ラスト#12にネオクラシカルなチューンを持ってきているため、後味はいい。それでも、このバンドを初めて聞く人にはほかのアルバムを薦める。
VAPからのリリースはここまで。
MV紹介
最近、VAP時代のミュージックビデオが公開された。これを機に、ファン拡大に期待したい。
1stアルバムに収録。間奏の最初のギターとベースの絡み合いがいい。
2ndアルバムのタイトルトラック。管理人的にはこの曲こそこのバンドの神髄だと思う。様式美ネオクラシカルメタルのエッセンスがすべて詰まっている。
3rdアルバムに収録。初登場は先行発売していたミニアルバム。力強いナンバー。
5thアルバムに収録。ボーカルが井上に代わって最初のフルアルバムで、しっかりとキラーチューンを作っているのが実に頼もしい。
6thアルバムに収録。初登場は先行発売していたミニアルバム。バンド名を曲名にするほどの自信作、ネオクラシカルメタルのお手本的なサウンドになっており、バンドの代表曲と言える。
7thアルバムに収録。力強いヘヴィメタルに重きを置くようになってきたが、井上のボーカルが一本調子になってしまって惜しい。ギターソロは変わらずネオクラシカルメタルだ。
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