TAIJI with HEAVENSのギター HALとして活動していた加藤晴信が率いる国産技巧派メロディック・スピードメタルバンドAlchemy Crystalの2ndアルバム。2015年に発表した。2014年の1stアルバムが6曲のミニアルバムであったため、フルレングスアルバムとしては初となる。
メンバー変遷を確認しておこう。
前作 1stアルバム
ボーカル:伊藤道大郎
ギター:加藤晴信
ベース:村山駿佑
ドラム:坪井景介
コーラス:江口裕貴
今作 2ndアルバム
ボーカル:伊藤道大郎
ギター:加藤晴信
ベース:村山駿佑
ドラム:坪井景介
キーボード:山下晋平
グロウル・コーラス:澁澤まこと
ギター・コーラス:江口裕貴
ただし、ドラムの坪井景介は本作発表後に脱退し、せらという人物に代わっている。前作との変化点はキーボードの山下晋平、グロウル・コーラスの澁澤まことが加入し7人体制(やけに多いな!)になったこと。
男性オペラティックボーカルで日本語のメロディック・スピードメタルを歌い上げるスタイルは前作に引き続き変わらず。専任キーボードによる多彩な音色、存在感向上とグロウル、女性ボーカルを入れて前作よりも幅を広げた。
インストとSEの#1から緊張感のあるリフで始まる#2でこのバンドの世界へ引きこまれる。ハイトーンではないけど、テノールで歌うメタルもありだ。#4はイントロ後のグロウルと、サビのブラストビートと合いの手のグロウルで聴くものを驚かせる。#6の中間パートがクラシックっぽいのは新メンバーの山下晋平の功績だろう。#11のBメロの合いの手も好きだ。#12はバンド初のバラード。
ギターの加藤晴信、ドラムの坪井景介の演奏のうまさがこれ見よがしにさく裂している。あとこのバンドに求めるとしたら、誰もがノックアウトされるような一撃必殺のキラーチューンか。
フルレングスアルバムで1500円って破格。内容が良好だったので、コスパ最強。ただ、2021年現在バンドの音沙汰なし。ベースとドラムが不在のようだ。こんなによい国産ヘヴィメタルバンドは貴重なので、ぜひとも復活してほしいところだ。
ちなみに、Alchemy Crystalのキーボードの山下晋平がソロプロジェクトArs Antiquaを2018年に始動させた。ここにはAlchemy Crystalのメンバーがたびたび参加している。
HALこと加藤晴信はEastern Glory Recordsの代表であり、最近は裏方のお仕事が多いようで。2011年に彼を見たとき、「若くて才能のあるすごい人が現れた! しかもTAIJIのバンドに加入してくれた!」と思っていたが、10年の時が経過し、ベテランの風格に。この衣装は羽織?
今日は録音の人 pic.twitter.com/Xe6s06QLDi
— 加藤晴信 Hal / Eastern Glory Records (@Hal_Gtr) September 27, 2020
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