SYMFONIA(シンフォニア)は元STRATOVARIUSのギターのティモ・トルキと元ANGRAのボーカルのアンドレ・マトスが中心となって結成したメロディック・スピードメタルバンド。本作は2011年に発表したデビューアルバム。しかし、今作が最後となってしまった。2012年には解散していることが発表された。
メンバーを見てほしい。
ボーカル:アンドレ・マトス(元ANGRA)
ギター:ティモ・トルキ(元STRATOVARIUS)
ベース:ヤリ・カイヌライネン(元STRATOVARIUS)
ドラム:ウリ・カッシュ(元HELLOWEEN、元MASTERPLAN)
キーボード:ミッコ・ハルキン(元SONATA ARCTICA)
メロディック・スピードメタルを代表するバンドの元メンバーが集まっており、まさにスーパーバンド。ANGRAのような民族音楽を入れつつシンフォニックな要素もあり、STRATOVARIUSのようなネオクラシカルもある豪華なメロディック・スピードメタルが展開されるはずだ! しかも、メンバーは超一流だから、楽器バトルや楽曲のケミストリーがあるはずだ! と思ったら、「アンドレ・マトスが歌うSTRATOVARIUS」という形だった。楽曲のクオリティは高いし、演奏技術も高いし、よい作品なんだけど。このメンバーに求められているのは「よい作品」ではなく、メロディック・スピードメタルの最高傑作だっただけに、おしい。
アルバム名はラテン語で、”INTO HEAVEN”の意味だという。
- “Fields Of Avalon”
“Father Time”のような疾走感のあるメロディック・スピードメタルのお手本的な曲。歌メロが一発で覚えられるところもいいね。トルキ節だね。 - “Come By The Hills”
ギターイントロ版の”Hunting High And Low”という感じでキャッチーな曲。こういうわかりやすい曲が好き。 - “Santiago”
ヘヴィなギターリフで始まると思ったら、これも疾走チューン。ギターソロはスピードダウンして静かに聞かせるところと、速弾きピロピロのパートがある。アンドレ・マトスの”Lisbon”や”Rio”に続く地名シリーズかな? - “Alayna”
スローバラード。STRATOVARIUS時代から得意とするしんみりとしたロックバラードで、アンドレ・マトスの声との相性も良い。 - “Forevermore”
さわやかな疾走曲で、このジャンルのファンが望むものをちゃんと提供している。安心のクオリティだ。 - “Pilgrim Road”
シンセのイントロがくせになるミドルチューン。Bメロやサビの裏のシンセもいい味を出しているし、サビメロがとても心に響く。こういうメロディいいね。 - “In Paradisum”
クワイアで始まる9分強の大作。”Elements”のような感じ。メロがよく、展開もスムーズのためすぐに覚えられる。逆に言えば、新しさや衝撃みたいなものがないのが残念。 - “Rhapsody In Black”
ギターリフ一発という感じのミドルテンポの曲。メロをしっかりと聞かせる曲で、楽器パートはシンプルだ。 - “I Walk In Neon”
キーボードのキラキライントロで”Hunting High And Low”系のキャッチーな曲。こういうわかりやすい曲が好き。 - “Don’t Let Me Go”
アコースティックナンバー。”Forever”を意識した曲か。アンドレ・マトスの声を堪能できる曲となっていてよい。しんみりとしてアルバムが終わってしまうのはちょっとおしい気もするが。 - “I’ll Find My Way Home”
日本盤ボーナストラック。アンドレ・マトスの声にアコースティックギターで静かに始まる。楽器隊が入ってきてロックバラードになっていく。
ティモ・トルキの手掛けるサウンドだから、良いものに違いないのだが。スーパーバンドであるので、ほかのメンバーの影響も出てほしかった。管理人としてはアンドレ・マトスがもっと曲にかかわってくれていたらと思う。
それでも、アンドレ・マトスの関係する作品として聞いておくべきだとも思う。
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