世界三大ギタリストの1人、JEFF BECK(ジェフ・ベック)の名作”WIRED(ワイアード)”(1976年発表)を紹介したい。
ジェフ自身は残念ながら2023年1月10日に亡くなってしまったが、彼の作品は生き続ける。日本独自のベストアルバムも発売された。
本作リリースまでの来歴
1944年 イギリスのロンドンで生まれる。
1965年 THE YARDBIRDSにギターとして参加。エリック・クラプトンの後任として。
1966年 THE YARDBIjeffRDSから脱退。一時期ジミー・ペイジとツインギターとなっていた。
1967年 JEFF GROUP BECKを結成。自身がリーダーを務める。
1972年 JEFF GROUP BECKを解散。BECK, BOGERT & APPICEを結成。
1974年 BECK, BOGERT & APPICEが自然消滅。
1975年 ソロ名義でインストゥルメンタルアルバム”BLOW BY BLOW(邦題:ギター殺人者の凱旋)”を発表。
1976年 ソロでインストゥルメンタルアルバム”WIRED”を発表。
これまでバンドに加入したり結成したりしたが、どれも長く続くことはなかった。その結果、彼はソロでアルバムを作ることに到達した。前作の”BLOW BY BLOW”をリリースし、確かな手ごたえを得て、彼は進む方向を確信した。その1年後にリリースしたのが、本作である。
曲の紹介
- Led Boots
変速的なドラムフィルから始まるアップテンポなナンバー。とにかく曲中の複数あるギターリフがどれもすばらしい。思わず口ずさんでしまうわかりやすい点もいい。ギターソロもキーボードソロも楽しめる。このアルバムでもっとも有名な曲だろう。 - Come Dancing
ドラムのリズムから始まる。ベースとドラムで曲の土台を作り、ギターとキーボードが乗っかる。前作よりも楽器隊が強力で、ミドルテンポであるにもかかわらず、思わずノってしまう。 - Goodbye Pork Pie Hat
静かに始まるスローバラード。ギターが主であるが、ベースとの掛け合いも聴きどころ。ドラムとベースが入ってからの力強さは今回のレコーディングミュージシャンの影響か。この曲はチャールズ・ミンガスのカバーで、ジャズのスタンダード・ナンバーとのこと。 - Head For Backstage Pass
ベースソロで始まるアップテンポなナンバー。ギターとキーボードの掛け合いを聴いているだけで、楽しい気分になる。ジェフ・ベックはキッレキレである。 - Blue Wind
レコードで言うとB面の1曲目にあたる。イントロは静かに始まる。アップテンポでギターリフがかっこいい曲となっている。この曲、ベースがあったらもっとすごい曲になっていたかもとも思う。ジェフ・ベックがリードギターとリズムギターを、ヤン・ハマーがキーボードとドラムを担当している。 - Sophie
静かに始まるのでバラードと思いきや、ギターとキーボードの掛け合いが激しい部分がある。またバラード調のところに戻り、その後、激しい部分を迎えて曲は終わる。なかなか忙しい曲だ。 - Play With Me
ミドルテンポながら、躍動する楽器演奏にテンションが上がる。ジャズのようにベースとドラムが曲の土台を支えるだけでなく、盛り上げてくる。そこにギターとキーボードが乗っかり、メロディを奏でる。 - Love Is Green
ピアノとギターのスローバラード。テンションの高いアルバムだったので、しんみりと終わるのがよい。曲は長めでもよかったと思う。もう少し聞いていたかった。
まとめ
躍動感のある熱量の高い楽曲が多い。ジェフ・ベック以外のミュージシャンの技術が高いこと、曲調としてジャズやフュージョンに寄っていることがあると思う。ジェフ・ベックのギターが楽しそうなのがいい。
前作”BLOW BY BLOW”と並んで本作”WIRED”はジェフ・ベックの中でも、最高傑作として名前が挙がることが多い。どちらか一つ選べと言われても、どちらも良さがあり、悩ましい。
結局のところ、管理人的にはどちらも好きで、どちらもいまだに聴き続けている。
ロックの古典として、世界三大ギタリストの一人の名作に触れてみてはいかがでしょうか。
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