Acid Black Cherry アルバム紹介

Review
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Acid Black Cherry(アシッド・ブラック・チェリー)はヴィジュアル系ロックのプロジェクト。ヴィジュアル系ロックバンドのJanne Da Arcのボーカルyasuによる。2007年より始動し、2017年より療養のため活動休止中。

サウンドは基本的にはJanne Da Arcの延長線上にあるもの。各アルバムにコンセプトがある。プロジェクト名は頭文字をとると「ABC」であったり、単語が4文字・5文字・6文字となっていたり、遊び心がある。

2025年はyasuが50歳となったり、新しいレーベルLtOVES(エルトヴェスと読む、説明してもらえないと厳しい)に所属となったり、アコースティックライブアルバムのリリース、これまでのオリジナルアルバム4作品がリニューアルで発売など活動休止中でも精力的になっている。

|||| Acid Black Cherry [ABC] Official Web Site ||||
アシッドブラックチェリー/Acid Black Cherry/ABC オフィシャルウェブサイト
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アルバム紹介

“BLACK LIST” (2008年)

1stアルバム。Janne Da Arcが2007年1月よりメンバーのソロ活動により活動休止し、その1年後に発表された。#1から荘厳なミドルテンポのナンバーで圧倒される。ギターもエッジの効いた音作りで主張も強め。七つの大罪をモチーフにした歌詞。なかなかいい。#2はJanne Da Arcの香りがする疾走ナンバー。#3は1stシングルで、ハイテンションで激しいナンバーになっている。#6はおちゃらけた曲になっていて、ちょっとアルバムの中でも浮いた感じだ。#8はウォーキングベースにギターが静かに入るバーサウンド、その後はブラスやホーン鳴り響くジャズテイスト。yasuらしい。#11は明るい冒険ソングなんだけど、Bメロの日本語の乗せ方がくせが強すぎるかな。#12の壮大なスローロックバラードで幕を閉じる。

“Q.E.D.” (2009年)

前作から1年で届けられた2ndアルバム。「Q.E.D.」とはラテン語で「証明終了」の頭文字。クワイアのイントロで始まるミドルテンポの#1に続き、セリフ後に演奏がバシッと入るロックチューンの#2に行く。キレのあるギター、唸るベース、大迫力のドラムでかっこいい。#4も疾走ナンバーで、サビメロとキーボードの絡みが素晴らしい。曲中のキーボードの存在も圧巻で、kiyo(Janne Da Arc)によるもの。#5の”眠り姫”は名バラードだろう。「愛してる 愛してる 愛してるよ」のところがグッとくる。#6は前作に引き続きおちゃらけた曲で好きではない。その後は割とテンポよく進んで、ラストの#12にさわやか疾走ナンバーで締めるのがいい。管理人的にはABCデビューがこのアルバムだったことも大きいが、ロックチューン、バラードや曲の質などバランスのよいいいアルバムだと思う。

“『2012』” (2012年)

3年ぶりの3rdアルバム。#1が小曲、#2がミドルテンポと徐々に盛り上げていく。#3でスラップベースも聞こえ、テンションを上げる。#4~#6の激しいロックチューンのラッシュが気持ちいい。#5のイントロのドラム、#6のサビのギターの高速カッティングとか最高。#8もキラキラキーボードが高揚感を上げるアップテンポなナンバー。その後は小曲、アコースティックナンバーとしっとり。#13は”Black Cherry”のようなジャズテイストの曲。#14はABCでもっとも有名なバラード”イエス”で、yasuらしい傑作だ。#15でさわやかなポップチューンの後、小曲でクローズする。ABCの魅力が凝縮された1枚である。

“L-エル-“ (2015年)

3年ぶりの4thアルバム。同名のコンセプトストーリーブック(小説)も発売された。CDと小説というと、Janne Da Arc時代の”Another Story”を思い出す。#4のyasuが独唱する感じやバラードがいい。#6はスラップベースを大胆に導入した激しいロックチューンになっていて聴きどころ。#9は”Black Cherry”のようなジャズテイストの曲。終盤にかけてこれという決め曲がなく終わってしまうため、少し惜しい。小説も読んだが、グッと来なかったところも影響しているかもしれない。

“Acid BLOOD Cherry” (2017年)

企画アルバム。yasuと親しいミュージシャンがyasuとバンドを組んでカッコイイ曲をやる、という趣旨。RYO(defspiral)、長野典二 (everset)、室姫深、HIRO (La’cryma Christi)、SHUSE (La’cryma Christi)、Leda、tatsuo (everset)が作曲。長野典二による#2、#8はシンセの使い方、ラウド・ボーカル、激しいドラムなどは確かに新しい。HIRO、SHUSEのサウンドはABCに近いものがあり、親しみやすい。yasuのイメージから遠いゴリゴリのラウドロック調が多く、yasuの真骨頂であるバラードもないため、企画物として楽しむのがよさそうだ。

その後

2017年より療養のため活動休止中。2025年現在も休止中。たまに公式サイトで療養の状況が公開される。

MV紹介

Acid Black Cherry「眠り姫」MV
7thシングル「眠り姫」(2009年2月18日リリース)Acid Black Cherry 初のMV集「AMPM」 (2025年7月30日発売)に収録!<商品情報>Acid Black Cherry「AMPM」(エーエムピーエム)発売日:2...

“眠り姫” from 2ndアルバム”Q.E.D.”

名バラード。

Acid Black Cherry「20+∞Century Boys」MV
5thシングル「20+∞Century Boys」(2008年8月27日リリース)Acid Black Cherry 初のMV集「AMPM」 (2025年7月30日発売)に収録!<商品情報>Acid Black Cherry「AMPM」(エ...

“20+∞Century Boys” from 2ndアルバム”Q.E.D.”

さわやかな疾走ナンバー。

Acid Black Cherry「少女の祈り III」MV
10thシングル「少女の祈り III」(2011年6月8日リリース) Acid Black Cherry 初のMV集「AMPM」 (2025年7月30日発売)に収録!<商品情報>Acid Black Cherry「AMPM」(エーエムピーエ...

“少女の祈りIII” from 3rdアルバム”『2012』”

イントロ、リフでのドラムがかっこいい。

Acid Black Cherry「Re:birth」MV
9thシングル「Re:birth」(2010年8月18日リリース) Acid Black Cherry 初のMV集「AMPM」 (2025年7月30日発売)に収録!<商品情報>Acid Black Cherry「AMPM」(エーエムピーエム...

“Re:birth” from 3rdアルバム”『2012』”

ギターのカッティングが気持ちいい。

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AMPM(2025/7/30発売予定、MV集)
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おまけ

Janne Da Arcが好きであったが、メンバー全員がソロになったときに、yasuのソロであるこのAcid Black Cherryはちょっと心配であった。バンドのボーカルのソロが成功すると元のバンドが停滞、もしくは解散となりがちだから。

ソロ開始の当時は、Janne Da Arc内のメンバーの不仲など知らなかった。ただ、yasuのAcid Black Cherryの活動があまりにも本格的、精力的であったため、Janne Da Arcを再開させる気はないのではないかと感じた。

どこかのお店で、yasuの声だけど聴いたことがない曲が流れていて、それは純粋にいいと思った。それが”眠り姫”であった。Janne Da Arcを待たず、Acid Black Cherryを聴いてみようと思った。

管理人はそんな形でAcid Black Cherryを聴き始めたので、ややひねくれていたり、異常に”眠り姫”推しである。どうしても曲やアルバムをJanne Da Arcメンバーで仕上げていたら、思うところもある。yasuが優れたコンポーザーであることは間違いない。そのうえで、バンドで仕上げていくところがどうしてもソロプロジェクトでは薄くなってしまう。レコーディングミュージシャンはあくまでもレコーディングであり、口出しやアレンジはなくyasuの指揮下で能力を発揮することになる。

yasuのペンによる良曲を、彼が信頼するバンドメンバーと作り上げて、その中で化学反応を起こして名曲になるところを見たい。そんなことを思わずにはいられないのだ。

しかし、”眠り姫”は特にすばらしく、ベースをコピーした。サビのところ、不思議なラインになっている。yasuが作曲した時点でこうなっていたのか、それともレコーディングのときにSHUSEのエッセンスが入ったのか。Janne Da Arcのベースを数曲コピーしていても不思議と感じたことがなかったので、新しい発見であった。

療養のための活動休止して8年。これほど長くかかっていることから、復帰はかなり難しいものと思われる。それでも、またyasuの声で聴きたいと思ってしまう。

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