TIME REQUIEMは2002年にデビューしたスウェーデンのネオクラシカルメタルバンド。ベース以外が元MAJESTICのメンバーということで、実質MAJESTICなのだが、マネジメントやレコード会社の問題により移籍して心機一転でニューバンドということのようだ。
中心人物であるキーボードのリチャード・アンダーソンが「鍵盤魔人」と言われ、それはまるでイングヴェイ・マルムスティーンのキーボード版である。とにかくネオクラシカルなフレーズを弾きまくってくれて、快感である。本作では、ネオクラシカルだけではなく、プログレッシブな要素もあり#8の小曲を除くと6~9分と大作が多い。ボーカルはFIREWINDのアポロ・パパナサシオ。
本作がTIME REQUIEMのデビューアルバムである。#1がタイトル曲であり、9分の音楽迷宮的な曲である。ネオクラシカル+プログレッシブなところがかっこいい。#2の美旋律から始まり、キラキラキーボードが入って、サビのクサメロでガッツポーズ。#3は王道的なネオクラシカルナンバー。クオリティが高く安心して聴ける。#4はクラシカルなキーボードソロから始まるミドルテンポの曲。アポロのボーカルが哀愁を誘う。#5はネオクラシカルのインストチューン。6分近く休むことなくキーボードで速弾きし続ける爽快なナンバーである。#6のBメロのキラキラ感がわくわくしていいね。本作のキラーチューンは#7″Grand Opus”である。イングヴェイ・マルムスティーンがライブで”Far Beyond The Sun”を演奏する前に弾くクラシックナンバーに歌メロを乗せて、そしてサビはイングヴェイ的メロディである。ぜひとも聞いてほしい。#8は小曲で仕切り直し。本編のラストの#9が比較的速めのプログレ調の曲で後味よし。ボーナストラックの#10は明るくノリのよい曲。本編に入っていてもアクセントになってよかったのではと思う。
名作なので、ぜひとも聞いてほしい。
TIME REQUIEMは2006年に3枚目のアルバムを発表後、新譜はない。また、リチャード・アンダーソンの別バンドであるSPACE ODYSSEYも2006年に3枚目のアルバムを発表後、新譜は途絶えている。2021年現在はどこで何をしているのだろうか。彼ほどの才能の持ち主がこのまま消えてしまうのは非常に惜しい。
いつの日かイングヴェイ・マルムスティーンとリチャード・アンダーソンの共演、ギターとキーボードのソロバトルが見てみたい。
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