世界三大ギタリストの1人、JEFF BECK(ジェフ・ベック)の名作”BLOW BY BLOW”(1975年発表)が2025年で50周年を迎えるということで、紹介したい。
ジェフ自身は残念ながら2023年1月10日に亡くなってしまったが、彼の作品は生き続ける。日本独自のベストアルバムも2025年2月5日に発売された。
本作リリースまでの来歴
1944年 イギリスのロンドンで生まれる。
1965年 THE YARDBIRDSにギターとして参加。エリック・クラプトンの後任として。
1966年 THE YARDBIRDSから脱退。一時期ジミー・ペイジとツインギターとなっていた。
1967年 JEFF GROUP BECKを結成。自身がリーダーを務める。
1972年 JEFF GROUP BECKを解散。BECK, BOGERT & APPICEを結成。
1974年 BECK, BOGERT & APPICEが自然消滅。
1975年 ソロ名義でインストゥルメンタルアルバム”BLOW BY BLOW(邦題:ギター殺人者の凱旋)”を発表。
本作リリースまで、バンドに加入したり結成したりしたが、どれも長く続くことはなかった。その結果、彼はソロでアルバムを作ることに到達した。彼が進む方向を形作った。
曲の紹介
- You Know What I Mean
邦題:分かってくれるかい。8ビートノリがしみついている管理人としては、いきなり難解なリズムの曲が来たと驚いた。ギターもやさしく弾くところとガツガツ弾くところがあり、聴きどころも多い。ギター1つにしても表現力にも多さに圧倒される。 - She’s a Woman
THE BEATLESの楽曲のカバー。原曲と聞き比べも面白いと思う。大胆にアレンジされているし、歌メロがギターになっておりジェフ・ベックらしくソロ的な要素も入っている。 - Constipated Duck
裏リフもメインリフもギターでどうやって弾いているのだろうという不思議なサウンドになっている。表現力豊か。 - Air Blower
楽曲のリズムを生み出すベース、激しいドラム。そこにギターとキーボードが音を乗せあう。中盤以降はゆっくりとしたテンポでしっとりと終わる。 - Scatterbrain
ギターとキーボードのユニゾンのリフが印象的な彼のアップテンポな代表作。ベースもドラムもそれぞれ主張しているが、楽曲が破綻することなく、むしろこの曲の味となっている。 - Cause We’ve Ended as Lovers
邦題:哀しみの恋人達。こちらは彼のバラードの代表作。ここで聴ける泣きギターは格別だ。前曲から一転してスローバラードという流れもすばらしい。レコード時代はA面からB面に変わるところであった。 - Thelonius
ギタリストのインストだが、キーボードが主となっている楽曲。裏で細かく弾いたり、差し込んでみたり、多彩だ。 - Freeway Jam
彼のアップテンポな代表作。ドラムソロから始まり、徐々に楽器が増えていくところは期待感が膨らんで面白い。メインメロディはわかりやすく覚えやすいところも親しみが持てる。各楽器の見せ場があり、楽しそうに演奏している風景が思い浮かぶ点もいい。 - Diamond Dust
ピアノ、シンセをバックに、ギターでしんみりと弾く。スローバラード。8分台の長尺となっているが、展開が多く飽きさせない。やさしく幻想的楽曲で終わるのもいい。
まとめ
各楽曲の充実感もさることながら、次の曲とのつながりもいい。流れるように1枚のアルバムとして作られているところもこだわりを感じる。
「ギタリストの教科書」とも言われる本作だが、キーボードやベース、ドラムという観点で聴いても面白いと思う。
こういう50周年という節目に、不朽の名作に触れるのはいかがだろうか。
合わせてこちらもよかったら。
コメント