元PIERROTのキリト率いるヴィジュアル系ロックバンドAngeloの12枚目のアルバムが2020年11月11日に発売された。新型コロナウイルスの影響で当初のライブツアーは中止となり、「NEOPHASE」と題してアコースティックライブやスタジオライブの配信を行ったり、バンドの記念日である10月4日の天使の日では有観客ライブ+配信を成功させたりしてきた。未曾有の事態でも対応し、「進化」してきたAngeloが放つ最新アルバムである。キリトはアルバムを通じて何を語るのか。
ライブレポートはこちらを参照されたい。
“[evolve]”ではキリト6曲、Karyu4曲収録された。キリト曲が多いのは2011年の4枚目の”BABEL”以来である。Karyu曲のギターリフのかっこよさ、アグレッシブさも好きだが、やはりPIERROTやソロも含めてキリトの曲が好きだ。特に生み出すメロディがよく、ツボにはまる。今回のアルバムはピアノが入っている曲が多い。だからか美しく、やさしさを感じるアルバムになっている。歌詞も含めて前向きな印象のアルバムだ。初回限定盤の白いジャケットが希望の光とリンクして、アルバムの雰囲気をよく表現していると思う。
#1 Enter the NEOPHASE
キリト作曲。イントロ+ナレーションで幕が開ける。ギターとピアノのきれいで少し切ないイントロだけど、メインに入ると力強く、どこかやさしさを感じる曲になっている。TAKEOのドラムパターンがえぐい。本当に器用なドラマーだ。ラストのサビではピアノが入ってきて、感動を与える。ドラマチックなナンバーが1曲目のためアルバムの印象がよい。
#2 Swallow
キリト作曲。疾走感のあるナンバー。タイトルのようにつばめがさっそうと大空を飛んでいるような爽快感もある。Vifのインタビュアーはリード曲向きと話していた。
#3 :evolve
Karyu作曲。デジタル感とアグレッシブなギターがあり、途中ダンサブルになり、実験的で面白い。
#4 CELL DIVISION
キリト作曲。ゴリっとしたギターリフに、マシンガンのように打ち付けるリズム隊。曲名は「細胞分裂」の意味。
#5 Amon
Karyu作曲。イントロやAメロディはヘヴィな曲調。曲名はWikipediaによると「ヨーロッパの伝承あるいは悪魔学に登場する悪魔の1体」の名前のようだ。Karyu曰く負の感情がものすごく入っているが、それに立ち向かうイメージで作ったとのこと。Cメロで
#6 AN ENDLESS MULTIVERSE
キリト作曲。リズミカルなギターリフ、Aメロが少しラップ風になっていてこれまでになく面白いかも。曲名は「終わりなき多元的宇宙」の意味。
#7 ティアドロップ
キリト作曲。管理人が毎回楽しみにしているバラードである。6月あたりにキリトとKOHTAは父を亡くしており、そのときのことを曲にしているのではないか。大切な人を失ったときの苦しみ、絶望感を残酷に描きながらも、それでも前に進んだときに希望を感じた。サビの裏のギターがまたいい仕事をしている。そして、ギターソロとピアノの掛け合いが美麗である。
#8 春の風
Karyu作曲。過去2作品だとアルバムの最後にもってきていたKaryuによるキャッチーでアップテンポなナンバーがこの位置に配置された。終わりのピアノがまたいい味出している。Karyu曰く構成の間に出てくる一部分で、急にそんなの出てくるのというのが詰まった曲。
#9 MISSING LINK
Karyu作曲。「Missing link to ~」のメロディが癖になる。Karyu曰く構成が複雑だけど、実はイントロから最後までコード進行は一緒。サビが2つある。
#10 ALL FOR YOU
キリト作曲。ボーカルのメロディのよさが際立っている。KOHTAもこの曲について「みんなが困難で、Angeloもみんなに勇気づけられているから、共に歩んで行こうという気持ちを感じられる曲。愛にあふれている。前向きな感じ」と語った。「再生の地平線に君がいなければ意味がない」ってすごくいいフレーズじゃない? アルバムを聴き終わったあとの幸福感が半端じゃない。
管理人のおすすめ曲
#1 Enter the NEOPHASE、#7 ティアドロップ、#8 春の風、#10 ALL FOR YOU
#1 Enter the NEOPHASE
#3 :evolve
アルバム全曲ダイジェスト
コメント
素晴らしいライナーノーツでした!
「再生の地平線に君がいなければ意味がない」
わかります!すごく胸に迫ります。
このフレーズだけで泣きそうなる。
キリトのこのセンスと繊細な感性が大好きなんだと改めて思いました。
>>1
お褒めの言葉をありがとうございます。
本当にいいフレーズですよね。共感できる方がいらっしゃり、うれしく思います。それと同時に、こうして感動を与えてくれるところが、やはりキリトの歌詞センスに脱帽です。