Amazon Echoなどに代表されるスマートスピーカー(AIスピーカーとも)の台頭で、AI(人工知能)がますます身近なものになった。すると思い出されるのがAI脅威論である。内容はAIによって人々の仕事が奪われてしまうというものだ。詳しくは本文で見ていくとして、音楽に触れること、音楽を演奏することでAIに勝つことができるという。
10年後の仕事図鑑
本書は堀江貴文氏、落合陽一氏の共著である。AIや仮想通貨などによってなくなる仕事、なくならない仕事が二人によって予想されている。詳しくは本で確認していただきたいが、管理人が特筆しておきたいことは堀江貴文氏の「AIに仕事を奪われるという発想がナンセンス」というところだ。むしろAIを使って楽をしたり、AIによって仕事から解放された分クリエイティブなことができる、というのだ。ポジティブな考え方で好意を持てるし、いろいろと変化が大きいと感じる時代の中で生き残っていくためには自分自身も変化・順応していかないといけないのだろう。生物が地球の変化に合わせて進化してきたように。
とは言え、いきなりクリエイティブに生きろって言われても困り果ててしまう。本書でも詳しく展開されているが、音楽とは関係ないので割愛する。興味がある方は確認していただきたい。
AIに勝つ!
本書の著者は野村直之氏。人間はAIに知識やデータ量では勝てない。例えば憲法、六法、条例をすべて覚えることは人間には限りなく不可能であるが、AIには可能である。しかし、AIにも苦手なものがある。みかんとかきの写真を見せられて、人はなんとなくで見分けられるが、AIにはできない。なんとなくという暗黙知はAIにはできないという。そのほかにもメタ認知という「自分が今何をやっているか」はAIにはわからないという。人間はこのメタ認知を高めることでAIに負けない。AIにはレコメンド(おすすめ)機能はできても、お客様のニーズを聞き出し、購入への気持ちを高めて、満足させて返すという営業はできない。
本書の第1章の最初に出る「AIは便利な道具にすぎない」がすべてを物語っている。ただし、知識や単純労働はAIによって置き換わることは確実だろう。AIを使うためにはどんな能力が必要だろうか。
著者はAI時代にテコ入れすべきは音楽、美術をはじめとする芸術系の素養だという。楽器を演奏したり、歌ったりすることで脳が活性化されることが研究でもわかってきているという。音楽は聞くだけでも脳の「報酬系」に作用し、「音楽は百利あって一害なし」と言わしめるほどだという。感性を磨き、インスピレーションを爆発させることでAIを使った新しい発想が出てくるのだという。
音楽のジャンルは特に記載がなかったからヘヴィメタルやヴィジュアル系でもいいのだろう。これからのAI時代に適応するためにも音楽が活躍しそうだ。もしも子がいたら、ぜひとも音楽(や美術などの芸術)をすすめたいものだ。
本書はAIがどういうもので、だから人間のどういう能力がAIに勝っているということを論理的に記されている。AIによって置き換わる仕事は存在するから、人間は人間らしい能力を磨いていかなければならないのだ。詳しくは本で確認していただきたい。
まとめ
AIによって人々の仕事が奪われてしまうというAI脅威論がある。知識やデータの量ではAIには勝てないが、暗黙知やメタ認識などAIにできないこともある。AIによって単純労働から解放され、人々はクリエイティブなことができるようになる。音楽などの芸術系の素養があるとインスピレーションを爆発させて、AIを使ったクリエイティブな仕事を生み出していけるだろう。
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