ギターのアレキシ・ライホが逝去して、このバンドのCDアルバムを急いで押し入れから引っ張り出してきて聞いていたら、ベースのマルコ・ヒエタラが引退するニュースが入ってきた。いったいどうなっているのだ。悲しみの連鎖が止まらない。
IN FLAMESのギターのイエスパー・ストロムブラードとDIMMU BORGIRのキーボードのキンバリー・ゴス(このバンドではボーカル)が中心となり、CHILDREN OF BODOMのギターのアレキシ・ライホ、ARCH ENEMYのベースのシャーリー・ダンジェロ、ドラムのロニー・ミラノヴィッチを迎えて結成したフィンランドのオールスター的なバンド。サウンドは女性ボーカルのCHILDREN OF BODOMのメロディックデスメタル(ノーマルボイスで歌う)である。とにかくギターがよい。2ndアルバムからはイエスパーの代わりに後にCHILDREN OF BODOMのギターとなるローペ・ラトヴァラ、後にNIGHTWISHのベースとなるマルコ・ヒエタラ、TO/DIE/FORのドラムのトミー・リールマンに代わった。プロデューサーはフレドリック・ノルドストローム。
“BEWARE THE HEAVENS” (1999年)
お勧め度:☆☆☆
アレキシ・ライホがクサいメロディを速弾きしまくっていてとてもいい。キーボードのメンバーはいないが、随所に織り込まれいい味を出している。キンバリー・ゴスのボーカルは未完成ながら力強さを感じる。リフ一発な#1に、印象的なコーラスで始まりクサいメロディ全開の#2、Bメロの裏でアレキシが弾きまくる#4など。#3、#8の短いインストを入れて9曲ということで、もっと聞きたくなってしまうが腹八分目というところか。
“TO HELL AND BACK” (2000年)
お勧め度:☆☆☆
キンバリー・ゴスとアレキシ・ライホ(二人は恋人同士で住所が一緒とのことだ)以外のメンバーを一新して制作された。とはいえサウンドは大きな変更なし。特筆すべきはキンバリー・ゴスのボーカルの成長だ。#4のバラードで如実に表れている。パワフルな#1はキンバリー・ゴスのことを指しているのかな? #2のクラシカルなイントロでガッツポーズだ。前作よりクサいメロディが減ったものの、メロディ重視でありながらメインストリームなサウンドが展開されていて大器を予感させる1枚だ。
“SUICIDE BY MY SIDE” (2002年)
お勧め度:☆☆☆
CDを再生していきなりのガッツポーズ。#1は疾走感、クラシカルな要素、メロディに優れておりこのバンドの代表曲だろう。若さとも言えるクサいメロディが減退し、洗練されてより王道なサウンドになった。これはこれでかっこいいのだが、赤面必死の若いクサいメロディを探してしまう。
残念ながらSINERGYは3枚のアルバム発表後、自然消滅してしまった。バンドを掛け持ちしているメンバーが忙しくなったためとされている。キンバリー・ゴスとアレキシ・ライホは4年付き合って2002年に結婚した。2年後の2004年には離婚し、友達に戻ったという。
2020年の年末にアレキシ・ライホが亡くなった際に、前妻のキンバリー・ゴスと現在の妻ケリー・ライホが追悼コメントを発表した。
改めてアレキシ・ライホのご冥福をお祈りします。
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