TMG(ティー・エム・ジー)はB’zのギタリスト松本孝弘が結成した日米のメンバーからなるバンド。ボーカルはMR. BIGのエリック・マーティン、ベース・ボーカルはNIGHT RANGERのジャック・ブレイズ。2004年に1stアルバム”TMG I”をリリースし、日本でツアーを行った。その後、20年ぶりとなる2024年に本作”TMG II”を発表し、再び日本でツアーを行う。
本作ではドラムにGUNS N’ ROSES、VELVET REVOLVERのマット・ソーラム、ギターにYukihide”YT”Takiyamaが参加している。
前作が”TMG I”(ワン)というだけあって、絶対に「II(ツー)」があるだろうと思っていたけど、5年後の2009年、10年後の2014年に何もなかったので、もうないかと思っていた。管理人はあきらめて15年の2019年ごろに”TMG I”を売ってしまった気がする。探しても見つからないし。
日米のビッグミュージシャンによるバンドだから、スケジュール調整は難航するだろうし、本人たちだけでなくマネジメントやレコード会社など利害関係者が多すぎて大変なんだろうなぁと想像していた。
今回、うれしいほうに裏切られてよかった。
各曲紹介
- CRASH DOWN LOVE
エリックのやさしい歌い方に癒される。メロディック・ハードロック的なテイストを感じるイントロ、Aメロ、Bメロ。しかし、サビで雰囲気を変わる。 - ETERNAL FLAMES (feat. BABYMETAL)
シンセが強めに入って、ダンサブルな曲に仕上がっている。BABYMETALとの掛け合いのところは聴きごたえあり。テンションが高く、人気出そうな曲だ。 - THE STORY OF LOVE (feat. LiSA)
和風で力強いミドルテンポのナンバー。LiSAと言えば、紅蓮華ということで和風にしたのかな。前曲に引き続き女性ボーカルをフィーチャーし、キャッチーなサウンドになっているのはよりファンの層が増えそう。 - COLOR IN THE WORLD
キーボードのイントロから、のびやかなギターリードで始まる。Bメロがメロハーテイスト。ここ聴きどころ。2番目のAメロはAOR風か。 - JUPITER AND MARS
面白い雰囲気のリフで始まる。Bメロ、サビは琴の音色で和風に感じる。最後のコーラスはB’zっぽい雰囲気もある。 - MY LIFE
イントロはオーソドックスなロックの雰囲気があって、前作の”TMG I”の続編のような気がする。しかし、ピアノも入っているし、おしゃれな歌メロで、やはり進化している。 - ENDLESS SKY
キーボードが大胆にフィーチャーされたナンバー。前作のロックやブルージーな雰囲気からは想像できないくらいさわやかであったり、メロディックであったり、華やかだ。ドラムソロ、ベースソロを経てギターソロに行く展開も面白い。 - DARK ISLAND WOMAN
軽快なロックナンバー。”TMG I”の延長線。一番TMGらしさがあって、当時からのファンは一安心ではないかと。 - FAITHFUL NOW
ピアノやシンセを使ったスローロックバラード。哀愁のただようメロや雰囲気がグッとくる。ギターソロ後の独唱からのドラムフィルは力強く盛り上がって気持ちいい。管理人は年齢のせいか、こういう曲にめっぽう弱くなってきた。 - THE GREAT DIVIDE
ポクポクなっているのはカウベル? オーソドックスなロックギターのリフ。サビではバンド演奏による軽快でダンサブルなサウンドになっている。 - GUITAR HERO
イントロのギターメロからかっこいい曲。サビメロもいいけど、どこかで聞いたことあるような。ギターヒーローとはバンドのリーダーである松本孝弘のことであるようだ。リスペクトもわかるし、それだけの功績も周知の事実であるが、自分のバンドの楽曲にしてしまう感覚はちょっとわからない。そんなことは些末なことだと言わんばかりのクールな曲に仕上がっている。
MV紹介
終わりに
本作は前作”TMG I”と比べて、テンポは落ち着き、キーボードの比率が上がり、聴きやすい仕上がりになっている。前作がロックやギター好き向けとしたら、こちらはもっと広い層に支持されるポテンシャルを有していると思う。
前作は複数人がドラムを叩いていたが、今回はマット・ソーラムが全部叩いているのもアルバムの一体感が生まれていい。
Blu-rayは2004年のライブ映像。1公演収録されているし、すでに発売されているものと違って、エリックは歌メロを変えているところも見どころ。少しマニアックかもしれないけどね。楽しめた。
20年の時を経て、”TMG II”が聴けるとは。次の”TMG III”はさらに20年後の2044年? そのときのメンバーの年齢は。そんなことを考えると末恐ろしい。
たびたび記しているが、次がある保証がないため、今そのときを大切にしていきたい。
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