ヴィジュアル系ロックバンドのAngeloが2017年に発表した9thアルバム。
アルバムタイトルは「異端」の意味で、このバンドが世間一般からそう思われているとキリトは話す。新しいことをやると「異端」と言われるが、それがやがてなじむことでスタンダードになる。バンドが「異端」と言われても構わず、バンドはこのサウンドややり方がスタンダードであるという主張する。
全体を通して
過去一番の鋭さを持ったアルバムだと思う。新しさやサウンドのとがった感じがこれまでとはレベルが違う。40分弱という収録時間の短さを感じさせない充実した内容である。
初めて聴いたときは「やりすぎちゃったか」と思ったが、リピートしていくうちにはまっていく。最高傑作と推薦したい気もするが、そのひとつ手前ぐらいだろうか。しかし、このアルバムがあったからこそ次のアルバム”RESONANCE”が作られ、それが最高傑作になっていたんだと、今はそう思う。
アルバムの作曲はキリトが5曲、Karyuが5曲。
各曲の紹介
01.SINGULAR
Karyu作曲。息の合った決めフレーズに、キリトのシャウトの英語。なんだこの新しい感じは。しかも、研ぎ澄まされた、洗練された印象。ヘヴィなんだけど、やさしい感じもする。
Karyuの作曲の引き出しは無尽蔵だ。Angeloのサウンド番長だ。
02.STRING
Karyu作曲。ヘヴィで疾走するイントロ、ザクザクギターのAメロとKaryuらしさ全開の曲。
03.HETERODOX
キリト作曲。タイトルチューン。ゴリゴリのギターリフでいつも通りかと思ったら、Aメロの単音ギターメロが絶妙で、ダンサブルなナンバーになっている。中毒性の高い楽曲だ。
04.ORIGIN OF SPECIES「ALPHA」
キリト作曲。ライブの定番曲だ。「Die off」の掛け声のところは盛り上がること間違いなし。展開が多いが、流れがスムーズのため問題なし。サビでパッと開けた感じになるのはAngeloらしい。
タイトルの英語に日本語の「」が入ることが違和感。
05.evil
Karyu作曲。ギター、ベース、ドラムが同時に演奏する、シンプルでヘヴィなリフが印象的。そこからのサビの迫ってくる感じやギターアルペジオが絶妙。キリトのシャウトもきまっている。
06.Scheme
Karyu作曲。Aメロのドラムとベースのフレーズが新しい。ジャズ風とさえ思えてしまう。KOHTAのベースが大活躍だ。
07.胎動
キリト作曲。管理人の大好物のキリトによるバラード。百点満点。文句なし。アルバムの世界のモンスターの誕生っぽい歌詞だけど、キリトがおかれている立場ともリンクしていて、グッとくる。
役割果たすため背を押されて 遠い場所までたどり着いて 何を描こう 何を創ろう
Angelo – “胎動”
この曲だけのためにこのアルバムを買ったと言ってもいいぐらい。ぜひとも聴いてほしい。
08.Resolve
キリト作曲。さわやか疾走ソング。全編にわたってキャッチー。サビの食い気味に入るシンバルが気持ちいい。
09.際限ない渇き
Karyu作曲。新しい感じのイントロだ。AメロはKaryuらしいアグレッシブなスタイル。Bメロでミドルテンポになるが、サビで疾走する。TAKEOのドラムが盛り上げてくれる。
10.RESISTANT BACTERIA
キリト作曲。Angelo史上最速曲。ヘヴィなギターリフに、息の合ったリズム隊のフレーズ。サビの裏のギターが印象的。そしてTAKEOのドラムのすごさを改めて実感した。
管理人のおすすめ曲:01.SINGULAR、03.HETERODOX、04.ORIGIN OF SPECIES「ALPHA」、07.胎動
選ぶのが難しかった。どれもいいし、流れや雰囲気がすばらしいので、アルバムを通して聴いてほしい。
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