MARK BOALS(マーク・ボールズ)はアメリカ出身のボーカル。”RING OF FIRE”は2000年に発表した2ndソロアルバムである。希代のハイトーンボーカルとして、豪華なレコーディングメンバー(のちにこのアルバム名を冠したバンドとなる)とその才能を余すことなく注ぎ込んだアルバムを紹介したい。
マーク・ボールズについて
一番有名な活躍はスウェーデンのネオクラシカルメタルの王者YNGWIE MALMSTEENとの共演だろう。1986年に発表された3rdアルバム”TRILOGY”で、限界を感じさせないのびやかなハイトーンボーカルを披露した。残念ながら1枚限りで脱退してしまう。
その後、1999年にYNGWIE MALMSTEENの11thアルバム”ALCHEMY”で再演。衰えぬハイトーンボーカルを披露した。2000年に12thアルバム”WAR TO END ALL WARS”でもボーカルで参加した。その後、再び脱退。
YNGWIE MALMSTEENは同じボーカルと2枚のアルバムまでしか作っていないが、マーク・ボールズとは3枚作っており、その点でもボーカルとして彼を高く評価していたことが読み取れる。
マークは2ndソロアルバム”RING OF FIRE”をリリースし、そのメンバーとバンドRING OF FIREを結成し、途中空白期間もありながら息の長い活動していく。2001年、2002年、2004年、2014年、2022年にアルバムをリリースした。
マークはデンマークのROYAL HUNTにも2007年~2011年に在籍した。アルバム”COLLISION COURSE… PARADOX 2″と”X”を発表した。
アルバム”RING OF FIRE”について
メンバー
ボーカル・ベース:マーク・ボールズ
ギター・ベース:トニー・マカパイン(PLANET X)
キーボード:ヴィタリ・クープリ(ARTENSION)
ドラム:ヴァージル・ドナティ(PLANET X)
曲紹介
- RING OF FIRE
イントロからガッツポーズ。ネオクラシカルメタルを体現する楽曲。キーボードもギターも超絶、技巧派。音階の下がるサビメロも、ラストのハイトーンスクリームも聴きどころ満載。マークを、そしてのちに結成される同名のバンドを代表する楽曲。 - ATLANTIS
ドラマチックな1曲。キーボードの存在感が強い。ミドルテンポで始まり、中間で疾走して、サビでミドルテンポに戻る。終始、マークのボーカルメロの良さが光る。間奏はキーボードとギターのバトル。聴き終わるころにはキーボードリフが癖になるはずだ。 - BRINGER OF PAIN
ギターの三拍子リフが印象的なやや早めにミドルテンポの楽曲。仰々しいサビがまたかっこいい。 - BETRAYER
こちらもギターがグイグイと引っ張る楽曲。サビがギターとボーカルの掛け合いになっているのも印象的。間奏部で随所にマークのハイトーンが入るところもポイント。 - KEEPER OF THE FLAME
バラード。しっとりとしたギターアルペジオに、マークが朗々と歌い上げる。またしんみりとしたメロがいい。サビのキーボードのブラスのサウンドが味に深みを添える。”Keeper”というタイトルもいい。最後はサビの裏でギターソロが入る。最高だ。 - THE HUNTED
ギターリフが疾走する曲。Bメロのキーボードのアルペジオ、サビはギターのパワーコードで聞くものを惹きつける。間奏の中間に牧歌的なところもある。 - THE QUEST
ミドルテンポの楽曲。雄大なイントロから、Bメロはクラシカルに、サビは様式美的。太鼓の音が印象的。 - DREAMER
ローテンポで始まるが、サビは疾走。Aメロはほぼマークの歌だけ。この曲はサビでベースが結構うねっている。間奏でもギターが弾きまくっている裏で、ベースもなかなか主張している。 - DEATH ROW
ピアノから始まり、Bメロは裏で神秘的なシンセが入り、サビが特徴的。アップダウンの激しいメロが癖になる。内容は死刑向かう人物について。 - ALONE
バラード。マークの歌唱力がよくわかる。メロも歌詞もしんみりとしている。ソロとしてやっていくことはこの歌詞のような感じかもしれないが、少なくともマークには支えてくれる超絶なメンバーがいる。そして彼らとバンドを組むから、”Alone”ではない。 - BATTLE OF THE TITANS
ピロピロイントロの疾走チューン。Aメロはマークが掛け合い。サビはピロピロにのせて、ハイトーンボーカルを見せつける! ギターもキーボードもテクニカルで弾きまくり。名曲だ。 - NESSUN DORMA
ボーナストラック。マークのテナーボーカルが聴ける。圧巻。有名な「誰も寝てはならぬ」である。
最後に
マーク・ボールズはボーカルとしても上手であるし、このアルバムはボーカルのソロアルバムだけどネオクラシカルメタルとしてバンド作品として成立しており、おすすめである。
ボーカルとしてのマーク・ボールズも、アルバムとしての本作も管理人のお気に入りで愛聴盤である。
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