2023年10月29日に亡くなったX JAPANのベース、HEATHのソロ作品をすべて集めてまとめたのが本作である。
1枚目がミニアルバム”heath”、2枚目がシングル集、3枚目が1stアルバム”GANG AGE CUBIST+Remix”、4枚目が2ndアルバム”Desert Rain”、Blu-rayとして”heath all of films”がついている。
近年は彼の作品のすべてが入手困難となっていたため、今回の発売はありがたい。
その一方で、管理人はすでに1枚は持っていたという点で諸手を挙げて喜べないのも事実。そういう方も一定数いるのではないか。
別々販売もしてくれたらよかったと思いながらも、販売側の都合もあると思う。販売形態を増やして採算が取れなくなって販売中止されていたら悲しいので、やむなしといった感じか。
アルバム紹介
CD-1 ミニアルバム”heath”
メジャーレーベルのポリドールから出た彼の最初の作品。作曲、ボーカル、ベースを担当している。#1″失われたtreasure∞land“のインパクトがすばらしい。覚えやすいギターリフに、全体の疾走感。サビメロがかっこいい。heathの歌声は、hideに近いところもあるかも。専任ボーカルがいたらもっとよくなると言われそうだけど、彼なりの味と思いたい。#4では彼のスラップを使ったベースソロが聴ける。#5はピアノもあることからX JAPANの雰囲気がある。
CD-2 シングル集
アニメ名探偵コナンの主題歌にもなった、#1″迷宮のラヴァーズ”などメジャーレーベルから出たものが#7まで。#8からは自身のレーベルwelchia factoryから出たもの。
シングル1枚ずつ探していたら絶対にすべて聴けなかったと思うと、このアルバムで一番ありがたいものかも。その一方で、シングル集は時代がごちゃまぜで、アルバムとしての方向性やコンセプトが作れないので微妙なところである。
“Daydream”シリーズの#002、#003、#006(Lousy)と彼の遊び心というかバージョン違いを作るのが好きというのは伝わってくるし、聴き比べは面白いと思う。
#9“GIVE”が意外なストレートのアメリカンロックでかっこいい。
CD-3 “GANG AGE CUBIST+Remix”
すでにアルバム紹介記事があるので、割愛。
でも、1つメリットがあったとすれば、元はディスク2枚で1つの作品であったが、今回は1枚にまとめられているのでディスクの入れ替えの手間が減った。さて、どのくらいの人がCDで1枚ずつ入れ替えをしながら聞いているのか怪しいところではあるが。
CD-4 “Desert Rain”
1の怪しげな音色と打ち込みと語りによる短いインストから始まる。#2がスラッシュメタルのような激しい曲で衝撃を受ける。ただ、heathの声が控えめで聞こえづらいのが難点。ギターやドラムの入れ方も初期のX JAPAN(当時はX)のようだ。#3、#4もバンドサウンドの楽曲が続く。heathにはデジタルのイメージがあったからちょっと意外。#5″eagle sniper“のイントロのクリーンギターのメロが耳に残る。サビメロもかっこいい。#6の音楽性はなんと表現してよいか難しいが、とても面白い。ゴリゴリのサウンドに、語りのような歌、コーラスは何かの引用かな。タイトル曲の#11はシンセとボーカルで始まるバラード。途中からバンドサウンドに。最後にかけて盛り上がっていく。
今回の作品で、初めて聞くことができた。このアルバムのために買ったと言っても過言ではない。スラッシュメタルのような疾走曲が多かったのは意外だけど。アルバムごとに音楽性が違うのは、彼がいろいろと試していたのかもしれない。
終わりに
本作はボリュームが多い分、高価になっているのが悩ましいところ。heathが好き、heathの楽曲が好きなら間違いなく楽しめると思う。
X JAPANのベースとしての彼しか知らないなら、歌声、作曲、好きな音楽性、いろいろなベースラインなどの新しい発見としてはとてもいい。
Dope HEADzでの彼の活躍も素晴らしいので、興味が出たらリンクを見てほしい。
彼が亡くなって1年が過ぎた。こういう過去の作品の再販などで、再び彼のことを思い出すタイミングがあるのはうれしい。彼が活動を望んでいたX JAPANはどうなるのだろう。1年経過しても音沙汰ないままである。
彼のインタビュー記事などをまとめた書籍も発売されていた。
興味のある方はどうぞ。
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