2010年発売の3枚目のアルバム。2011年にはKaryuとギルが加入し5人体制へと移行したため、3人体制では最後のアルバムとなった。
そのキリト、KOHTA、TAKEOの3人体制をバンドの最初の5年間であることから「初期」と呼ぼう。初期でのアルバムがちょうど3枚だったので、それら3枚を「初期3部作」と呼ぼう。この”Design”は初期3部作の最終作にして最高傑作である。とにかくメロディの良さが際立っていること、アップテンポな疾走チューンが多いこと、バンドでも屈指の名バラード”光の記憶”が存在すること、隠れた名曲”Speak to deep colors”があること。唯一欠点を上げるとすれば、バンドのらしさでもあるゴリっとロックなギターリフでアグレッシブに攻める曲が”DESIGN OF INFINITE CIRCLE”ぐらいなことか。逆に言えば、とても聞きやすいアルバムになっており、一般大衆受け抜群である。
ポップスを聴いてきた人にAngeloをすすめるならこの”Design”だ。ロックを聴いてきた人にAngeloをすすめるなら”RESONANCE”だ。
話を戻そう。このアルバム”Design”は全曲キリトの作詞・作曲である。ギターサポートは前作、前々作に引き続きTORUxxxである。
01 Blind Light
シンプルでかっこいいギターリフで始まる。アップテンポなロックナンバー。このアルバムのテーマである「光」と「闇」から歌い始める。
02 El Dorado
サビから始まるアップテンポな疾走チューン。シングル曲。歌詞には光、闇、螺旋。
03 Noise
乾いたスネアの音が印象的なアップテンポナンバー。歌詞には闇、色。
04 DESIGN OF INFINITE CIRCLE
アグレッシブなギターで引っ張るミドルチューン。歌詞には闇、螺旋。
05 光の記憶
頭からサビでかつキリトのアカペラ入るところで鳥肌が立った。ストリングスアレンジや泣きのギターソロもよい。サビメロもただよいだけでなく、キリトらしさも感じられる名バラードだ。シングル曲。
06 Speak to deep colors
管理人的には隠れた名曲。このサビメロを聴いて心が震えた。ミドルテンポでバンドサウンド中心の作りでありながら構成、各パートのバランスがよい。ラストのサビの決めフレーズも気持ちがいい。
歌詞の「輝く河の向こう岸」って三途の川の向こう側=彼岸(死後の世界)ということか。大切なものを失った悲しみから救済。景色が思い浮かぶ歌詞も秀逸である。色。陽射し。
07 FATE
サビから始まるアップテンポな疾走曲。シングル曲。
08 EVE
きれい系だけどサビの力強さが印象的なミドルテンポの曲。光。
09 螺旋
アップテンポな曲。キリトの歌メロがメインだ。サビが2段階あって構成が面白い。歌詞には闇、螺旋。
10 Last song
タイトルとは裏腹に爽快感さえ感じる軽快なナンバー。歌詞には光。
11 Lotus bloom
TAKEOのドラムが気持ちいい。悲しい感じなんだけど、前向き。歌詞の「蓮の花咲き誇る 丘」はPIERROT時代の”ACID RAIN”や”HILL -幻覚の雪-“に出てくる丘なのかな。そのときは雨や雪のイメージの暗い感じだったけど、蓮の花が太陽や再生をイメージさせる今回の丘は明るい。
歌詞やアルバムのテーマは光と闇と螺旋なのだろう。光と闇は生と死を、螺旋は繰り返す運命を表しているのだろう。暗いテーマでは悲しみの淵に落とされたようなメロディに思わず飲み込まれそうになる。だけど、キリトはそこに必ず光や救いを入れている。その辺の匙加減も絶妙だ。
キリトの歌詞は光、雪、月、丘が入っていることが多い。特別に気に入っている言葉なのだろう。
管理人のおすすめ曲
02 El Dorado、05 光の記憶、06 Speak to deep colors、07 FATE、09 螺旋、10 Last song、11 Lotus bloom(選んでみたが、光の記憶、Speak to deep colorsは別格として、その他の曲も良質のためアルバム全曲と言っても過言ではない)
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