元PIERROTのキリト率いるヴィジュアル系バンドAngeloが2011年に発表した4枚目のアルバム。バンドの5周年記念のタイミングである2011年に元D’espairsRayのKaryuと元ヴィドールのギルの2人のギターが加入し、5人体制となって初めてのアルバムでもある。キリトはこの変化についてバンドを一度破壊して、ゼロから始めると語っていた。
作曲はキリト7曲、Karyu4曲。ギターが2人増えて、サポートギターのときよりもバンドアレンジする時間が増えたためか前作と比べてギターフレーズや間奏が充実した。その反面、メロディが弱くなった。前作の”Design”のメロディの充実度がバンド史上最高だっただけに、落差が大きい。暗めの歌詞なのだが、サビメロが明るい曲が多く、ミスマッチな印象を受けた。
01 LOVE STORY
Karyu作曲。キリトらしからぬタイトル。ギターリフが2段階で、ドラムパターンも複雑で、これが新しいAngeloサウンドかと感じた。歌詞は生物の破滅と再生をラブストーリーと表現しているようだ。サビでキリトのファルセットを入れてくるとは、Karyuやるな。ギターが2人いるから、作りが細かくなった。構成も複雑だ。ここまで書くとすごい感じになっているのだが、若干詰め込みすぎた感があり、一聴してインパクトを与えるほどではないのが少し残念である。
02 FEATHER
キリト作曲。メロ重視の疾走チューン。こちらを1曲目にしたほうがよかったのでは。シンプルだからこそ、キリトのメロのよさがストレートに伝わってくる。
03 My Strife
Karyu作曲。激しいロックナンバー。クラクションのSEが入る。サビの裏やソロのギターが単音で速弾きしていてかっこいい。
04 THE TOWER OF BABEL
キリト作曲。サビメロがキリトらしい。大震災も含めて人間が作ってきたものの象徴であるバベルの塔が壊れたとしても、立ち上がるんだという意気込みを感じる。
05 霧雨頬を濡らして
キリト作曲。バラード。前曲の崩壊した世界で、やはり再生へと向かうための曲。キリトなりの応援歌なのだろう。
06 PLOSIVE
Karyu作曲。なんといってもイントロのギターメロ一発の曲。サビの裏でも鳴っていて、思わず体を動かしてしまう。ロックなんだけどダンサブルな感じが面白い。
07 White fury
Karyu作曲。英語パートがラウドロックな感じなんだけど、個人的にキリトにあっていない気がしてあまりいい印象ではない。それと「chaos」はカオスではなく、ケイオスって歌ってほしかった。
08 DECESE
キリト作曲。イントロのギターの単音とキリトの歌唱がしんみりくる。サビで楽器隊が入ってきて、がらっと印象が変わる。タイトルはルーマニア語で「死」の意味。
09 Gospel
キリト作曲。アメイジング・グレイスをピアノで演奏したあと、疾走感のあるギターリフが入って曲が盛り上がっていく。ノリノリのサビメロがいい。鎮魂の末に福音。
10 Manic State High Pressure
キリト作曲。明るい疾走感のある曲。サビメロが好きだ。破壊された白黒の世界に、風穴こじ開けてかつての色を取り戻すような再生へ向けた曲。新生Angeloで伝説を作るというキリトの気概もこの曲に込められている気がする。
11 Ruins
キリト作曲。ミドルテンポで、ギターリフは暗く重い感じだけど、サビは明るい。破壊からの再生の曲。
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02 FEATHER、06 PLOSIVE、10 Manic State High Pressure
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