カーボンニュートラル、SDGs、ESG投資など地球環境が意識されるようになり、自動車ではEV(電気自動車、BEVとも)時代を予感させるようになった。ヨーロッパでは2035年にはガソリン車もハイブリッド車(トヨタなど日本車が強い)も発売禁止、EVやFCEV(燃料電池自動車)のみとなる。
そんな中、あえて日本の自動車メーカーの2022年5月現在の新車として販売しているラインナップを確認して、エンジンの種類を確認したい。エンジンは車を走らせる原動力であり、また車会社を車会社として他を圧倒してきた技術の結晶のひとつであり、現状の状況を見れば各社の今後の動向がつかめると思うからだ。
蛇足であるが、車の三要素は「走る」「曲がる」「止まる」である。「走る」ための動力を生み出すのがエンジンだ。
エンジンは1機種を開発すれば何車種かに載せることができる。量産効果で価格を抑えることができるからだ。日本の車メーカーのエンジンが何種類あるか調べてみた。そんな中で、この車とこの車、見た目は違うがエンジンは一緒なんてこともよくあるものだ。
排気量が大きい、エンジンパワーに余裕があると優雅に運転できるだろう。一方で、エンジンが大きく重くなる、エンジンパワーを受ける車体も強くするために重くなるため燃費は悪化する。
自動車税はエンジンの排気量に応じて決まる。排気量が小さいほうが、税金が安くなる。維持費が気になる場合は要チェックとなるだろう。
業務用車両や軽自動車は除いた。調べ方はメーカーHPのラインナップより、1台ずつ主要諸元表を確認した(ものすごく大変であった)。
スズキ
車は9種類、うちOEM1種
エンジン型式は6種類、うちOEM1種
動力の種類はガソリン、ガソリンターボ、ハイブリッド、ハイブリッドターボ
配列は2種類、直3・直4
排気量は1000~1500cc、2000ccはOEM
軽自動車で強いスズキは普通車はコンパクトカー・小排気量エンジンに絞っている印象。それでも車・エンジン型式の種類は思ったほど少なくなかった。
K10Cのハイブリッドターボはほかに例がなく非常に珍しいタイプである。このクロスビー専用のK10Cとスイフトスポーツ用のK14Cはそれぞれ1車種専用エンジンとなっており、スズキのメーカーとしての気合の入れようがうかがえる。
ダイハツ
車は4種類、うちOEM1種
エンジン型式は5種類、うちOEM1種
動力の種類はガソリン、ガソリンターボ、ハイブリッド
配列は2種類、直3・直4
排気量は1000~1200cc、2500ccはOEM
軽自動車で強いダイハツは普通車はコンパクトカー・小排気量エンジンに絞っている印象。表示の上では少ないが、実際にはトヨタやスバルへOEMで提供しているため、量産効果が見込める。WA-VEXは2022年に出たダイハツによるシリーズハイブリッド(エンジンは発電のみ、モーターで駆動:この方式で一番有名なのは日産・ノートのe-POWERだろう)である。
第2回以降で残りの自動車メーカーを見ていこう。
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