ヘヴィメタルのレーベルの『Nuclear Blast』の創始者が新しいレーベル『Atomic Fire』を発足されたニュースが2021年11月にあった。
このブログでも取り上げているHELLOWEEN、MICHAEL SCHENKER GROUP、PRIMAL FEAR、SONATA ARCTICAなどが『Nuclear Blast』から『Atomic Fire』へ移籍済みだという。
発足の狙いはデジタルストリーミング一辺倒ではなく、CDやLPなどのフィジカル・プロダクト、Tシャツなどのマーチャンダイズだという。
デジタルストリーミングについて管理人の考え方は、下記の記事の中でも示した。
デジタルストリーミングはフィジカルではないため収納に便利、物質消費・ゴミ問題もない。環境を考えるとよさそうに見える。しかし、暗号資産(仮想通貨)のようにサーバー代で大きな電力を消費したり、ハードディスクドライブなどの記憶媒体は半導体を使用しており昨今の不足問題へとつながっている。
同じことが自動車業界でもいえるかもしれない。電気自動車(EVまたはBEV)一辺倒の流れがある。しかし、すべてのEVの電力を賄うことはできない問題もあり、トヨタはEV戦略を出しつつもあくまで全方位。ガソリンエンジンのみのモデルはいずれなくなるかもしれないが、ハイブリッド(HVまたはHEV)、プラグインハイブリッド(PHVまたはPHEV)、燃料電池自動車(FCV)の現在のラインナップのほかに水素エンジンやバイオ燃料エンジンなども研究開発しているようだ。あくまでも選ぶのはお客様と話す。
一辺倒というのは外乱に弱いことがある。最近だとマスクの生産がすべて海外に依存していたため、ウイルス感染拡大での需要過多でマスク不足になり、十分いきわたるまでに時間がかかったことは記憶に新しい。ウイルスで言えば、もし人間がすべて同じで作られていたら、全員が感染してしまう。人間は一人ひとりが違うから感染のしやすさに差が生まれている。人間も含めて生物は変化をすることで、外乱への耐久性を上げてきた。
閑話休題。ヘヴィメタルのファンにはやはりアルバム通して聴きたい、CDやLPなどのフィジカル・プロダクトで聴きたいというニーズはほかの音楽ジャンルよりも高いのではないかと管理人は思っていた。そして、今回のニュー・レーベル『Atomic Fire』の発足も、その考えを強くした。
今後はどうなるだろう。『Atomic Fire』がすぐになくなってしまうようなら、やはり人々はデジタルストリーミングを選択したということになる。もしそうでないとしたら、一辺倒ではなく共存という形が可能であるということだ。
ちなみにフィジカル・プロダクトと扱う以上は環境問題には十分配慮しなければならない。3R(リデュース、リユース、リサイクル)はもちろん、生産過程のカーボンニュートラルも取り組んでいくのだろう。ユーザ側も必要以上に買わない、使用後はリユース、廃棄時はリサイクルを考慮していく必要がある。
ちなみに『Atomic Fire』は日本ではワード・レコーズから発売されるという。ロニー・アトキンスのEPもフィジカル・プロダクトは日本限定だが、ワード・レコーズから提案して実現したと伊藤政則氏はロックTVで語っていた。ワード・レコーズもデジタルストリーミング一辺倒ではないという考えに賛同しているのかもしれない。
蛇足であるが、『Nuclear Blast』は「核爆発」の意味、『Atomic Fire』は直訳で「原子の火」の意味で、なんというかネーミングセンスもヘヴィメタル的だ。もちろん、好意的にとらえて。
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