AXEL RUDI PELL アルバム紹介

Review
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AXEL RUDI PELL(アクセル・ルディ・ペル)はドイツの様式美メタルギタリストであり、彼の名前を冠したバンドでもある。1984年に自身のバンドSTEELERでデビューし、4枚のアルバムを残すも1988年に脱退した。その後1989年に1stアルバム”WILD OBSESSION”でソロデビューした。

ギタリストであるがギターソロやテクニック一辺倒ではなくボーカルのメロディラインや曲全体のクオリティを優先しているのが特徴だ。またバンドのメンバーに恵まれる。ボーカルにロブ・ロック(IMPELLITTERI)、ジェフ・スコット・ソート(YNGWIE MALMSTEEN)、現在所属するジョニー・ジョエリ(HARDLINE)。ドラムにヨルグ・マイケル(STRATOVARIUS)、マイク・テラーナ(YNGWIE MALMSTEEN、ARTENSION、RAGE)、現在所属するボビー・ロンディネリ(RAINBOW、BLACK SABBATH)。彼の人柄なのだろうか。またコンスタントにアルバムをリリースしている。オリジナルアルバムは1989年から2022年までに19枚。そのほかにカバーアルバム2枚、バラードコレクションを5枚リリースしている。

ドイツ本国では2022年現在に至るまで人気があるも、日本盤は2002年の9thアルバム”SHADOW ZONE”を最後にリリースがなくなった。

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ETERNAL PRISONER(1992年)

おすすめ度:☆☆☆
3rdアルバム。1stや2ndアルバムと異なり、メンバーを固定してバンド体制での初のアルバムである。ボーカルはジェフ・スコット・ソート。#1は彼が高らかに歌い上げる疾走曲、#2はノリノリのギターリフが気持ちいい軽快なナンバー、#3はコーラスメロディがくせになるヘヴィなタイトルチューン。#6はアメリカンな感じだ。#7はスローインスト。全体的にコンパクトにまとめられており好印象。

BLACK MOON PYRAMID(1996年)

おすすめ度:☆☆☆
5thアルバム。アルバムタイトルが様式美だ。#1短いインストから#2疾走曲、#3軽快なロックナンバーと今後も続く彼の美学がここにある。#6、#10、#12、#14はインスト。#9は10分弱のタイトルチューン。怪しいリフにライブ映えしそうなコーラスと迫力あり。RAINBOWの風味がする。#13はアコースティックでの軽快なナンバー。ジェフの声はこういう曲にもあう。曲数が多くやや散漫な印象を受けるが、メロディメーカーの彼の魅力は十分に味わえる。

MAGIC(1997年)

おすすめ度:☆☆
6thアルバム。#1短いインストから#2疾走曲、#3も疾走曲。#4は9分越えのタイトル曲。#6は12分越えの超大作だ。#9はボーカルとギターとキーボードだけの珍しいバラード。ボーナストラック#10の”Total Eclipse”には当時HELLOWEENのギターのローランド・グラポウが参加。ギタリストを強調したインストなのだが、胸を打つほどのメロでないのが残念だ。

OCEANS OF TIME(1998年)

おすすめ度:☆☆☆☆
7thアルバム。ボーカルがジェフ・スコット・ソートからジョニー・ジョエリに変わった。疾走曲、超大作、バラード、インストまですべてにおいてAXEL RUDI PELLの魅力が詰まった名作だ。強いて言えば、1曲あたりの5分越えが当たり前になっていて、ちょっとだけ聴きたいというニーズには不向きかもしれない。だが、アルバムを通してメロディがよく、あっという間に聞けてしまうから不思議だ。#1短いインストから#2疾走曲、#3シンプルでかっこいいリフの軽快なロックナンバー。#5はBメロがかっこよく、サビでオーオーのノリノリな曲。#4や#6、#7は超大作であるがメロディが秀逸で聴いていて飽きることはない。#8はギターとキーボードによるインスト。これまたメロディがいいこと。サビがノリノリの#9、ダブルボーカルのように聞こえる疾走するサビを持つ#10とアップテンポな曲でアルバムを締めくくるため後味もよい。蛇足であるが、管理人はAXEL RUDI PELLで初めて聴いたアルバムが本作である。ドハマりしたことは言うまでもない。

THE MASQUERADE BALL(2000年)

おすすめ度:☆☆☆
8thアルバム。ドラムのヨルグ・マイケルが脱退してし、マイク・テラーナが加入した。#1短いインストから#2疾走曲、#3ミドルテンポのロックナンバー。なんといっても#2の“Earls Of Black”が素晴らしい。キラーチューンだ。ただ、ドラムのサウンドがいけていない。#6はギターリフがかっこいい疾走曲。全体としてテンポダウンし、長い曲が増えた結果、勢いが落ちた感が否めない。

SHADOW ZONE(2002年)

おすすめ度:☆☆
9thアルバム。#1短いインストから#2疾走曲、#3ミドルテンポのロックナンバー。重厚感が増したが、スローからミドルテンポの曲が中心となった。彼の魅力のひとつであった疾走曲が少ないのはつらい。本作を最後に日本語盤のリリースが途絶えてしまったのもつらい。

MYSTICA(2006年)

おすすめ度:☆☆☆
11thアルバム。#1短いインスト、#2ドラムが大暴れの疾走曲、#3ギターリフでグイグイ引っ張るロックチューンという気持ちのいい流れ。楽曲のクオリティが名盤”OCEANS OF TIME”を思い出すレベルで、これを待っていた。#8のインストは静と動の対比が美しい。#9は哀愁のあるサビメロの疾走曲。

ライブ映像

Axel Rudi Pell live | Rockpalast | 2018

公式チャンネルでライブ動画を見ることができる。2018年の動画であるが、管理人がはまったときからアクセルの風貌は変わらず。今やドイツでレジェンドギタリストとなっているようで、ぜひとも日本に来てほしいし、日本盤の復活もしてほしい。

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