ANDRE MATOS – “TIME TO BE FREE” アルバム紹介

Review
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ブラジルのメロディック・スピードメタルのボーカルであるアンドレ・マトスが自身の名を冠したバンドANDRE MATOSを結成し、そのデビューアルバムである。2007年に発表された。

VIPERで1987年にデビューし、2枚のアルバムに参加したあと脱退した。1993年にANGRAでアルバムを発表し、合計3枚のオリジナルアルバムをリリース後、ベースとドラムのメンバーとともに脱退した。2002年に脱退した3名にギターを加えてSHAMANでアルバムを発表した。オリジナルアルバム2枚を発表後、ギターとベースとともに脱退した。

上記の経歴だけ見ると、協調性がないのかと心配になるが。STRATOVARIUSのティモ・トルキといい、才能のあるミュージシャンは気難しいのかもしれない。

メンバー
ボーカル:アンドレ・マトス
ギター:ヒューゴ・マリウッティ
ギター:アンドレ”ザザ”ヘルナンデス
ベース:ルイス・マリウッティ
キーボード:ファビオ・リベイロ
ドラム:ラファエル・ロサ

1 Menuett
ANGRAの名盤”ANGLES CRY”の始まりを思わせるクラシカルなイントロ。

2 Letting Go
イントロから静かに始まっていく。感情が爆発したようにメインリフが展開され、メロディック・スピードメタルが聴けて安心する。”Carry On”や”Here I Am”の再来だ。

3 Rio
地名なので”Lisbon”の派生形か。あちらはバラードであるが、こちらは躍動感のあるギターに手数の多いドラムでアップテンポに仕上がっている。アンドレの歌パートもいいが、インストパートもかなり力が入っており、やはりバンドなのだと感じた。

4 Remember Why
静かなボーカルパートで始まると思ったら、構成が複雑な曲に入っていく。それでいて、歌メロが耳に残るため聴きやすい。これまでのアンドレ・マトスが関わった曲の中では異色だ。

5 How Long (Unleashed Away)
コーラス、そしてギターソロで始まる疾走チューン。Bメロの裏のギターがかっこいい。サビメロはシンプルながら、やっぱり魅力的だ。ドラムもノリノリで気持ちがいい。中間と最後にもギターソロがあり、完全にギターの独壇場だ。

6 Looking Back
Aメロがアコギとアンドレの声というやさしい曲。そのあとはやはりバンドサウンド。間奏のギターソロやシンフォニックな感じが好きだ。

7 Face The End
ピアノが強調されたロックバラード。アンドレの力の入った歌ってこういうバラードにあう。

8 Time To Be Free
8分越えのタイトルチューン。静かに始まり、躍動感にあふれるギターや、不思議なシンセのサウンド、疾走パートがあり、少し静まったあとにドーンとタイトルコール。その後もドラマチックに展開する。アンドレ・マトスがこれまでのバンドやかつての楽曲に縛られることなく、「自由になって」できていることが感じられて好印象だ。

9 Rescue
ゴリっとしたリフがあったり、悲しいシンセのメロがあったり、疾走パートがあったり、ボーカルのみの部分があったり、よくこんなに展開が作れるものだと感心する。それでいて複雑でわかりにくいことはなく、流れるように自然につながっていく。

10 A New Moonlight
ベートーヴェンの「月光」をモチーフにしたVIPER時代に発表した”Moonlight”で一躍有名となったアンドレ・マトス。今作る「新しい」バージョンである。怪しげなSEに、アンドレのアカペラが乗る。9分弱という長尺。いい曲なのだが、少し冗長か。

11 Endeavour
アルバムのラストナンバーは疾走曲。2名のギターソロにキーボードソロまであって、歓喜。ボーカルのソロではなくてバンドなのだと再認識させられる。映画のクライマックスのような盛り上がりとさわやかな感じがよいね。

12 Separate Ways (Worlds Apart)
言わずと知れたJOURNEYの名曲のカバー。イントロはキーボードではなく、ギターで演奏している。アンドレ・マトスのバージョンもいいね。

アンドレ・マトスが様々なバンドを経てたどり着いた自分の名前を冠したバンド。歌パートだけでなく、インストパートも充実しており、バンド感が強い。キャリア集大成の要素もあり、よい作品に仕上がっている。


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