VIPER(ヴァイパー)はブラジルのメタルバンド。アルバムごとに音楽性が変わったバンドでもある。1stアルバムはIRON MAIDENリスペクトを感じるパワーメタル。名盤として名高い2ndアルバムはメロディック・スピードメタル。ここでボーカルのアンドレ・マトスが脱退した。彼はドイツの音楽大学へ通い、のちにANGRAを結成し、メロディック・スピードメタルシーンの第一線で活躍することになるのである。
SOLDIERS OF SUNRISE (1987年)
おすすめ度:☆☆
ベースのピット・パシャレルの解説によれば、ブラジルで最初のパワーメタルアルバムらしい。メンバーは平均16歳。スラッシュな粒のそろったギターリフで始まる。音質は劣悪で、演奏もプロフェッショナルとは言えないかもしれないけど、ヘヴィメタルの愛やパッションを感じる。アンドレ・マトスのデビューアルバムという意味でも価値のあるアルバムだ。
THEATRE OF FATE (1989年)
おすすめ度:☆☆☆☆
前作に比べて音質の向上した。前作がシンプルでストレートなナンバーが多かったのに対して、今作では曲の構成に深みが増した。ボーカルやギターのメロディのよさがピカイチ。日本人の琴線に触れるメロディック・スピードメタルの傑作がここにある。ベートーヴェンの「月光」アレンジした#8″Moonlight”はアンドレによる作品であり、名作である。この感動の続きがこのバンドではなく、アンドレ・マトスがのちに結成するANGRAによってもたらされるのである。
ちなみに中古市場では格安で出ていることが多い。こんなに名作なのにその価値をわかっていないなんてと嘆く一方で、コスパ最強とも言える。
アンドレ・マトス脱退後
ベースのピット・パシャレルがボーカルを兼任する形で4人態勢で、1992年の3rdアルバム”EVOLUTION”と1995年に4thアルバム”COMA RAGE”と1996年に5thアルバム”TEM PRA TODO MUNDO”をリリースした。アルバムごとに音楽性が変化していったが、1996年からバンドは活動休止となる。
2001年にライブ活動を再開し、2004年にリードボーカルを入れて5人体制となった。2007年に6thアルバム”ALL MY LIFE”をリリースした。その後再び活動休止となった。
2012年にボーカルのアンドレ・マトスが再加入し、ブラジルツアーを実施した。2016年にアンドレ・マトスはふたたび脱退し、2017年にバンドは新しいボーカルを入れた。2021年現在は公式サイトは消滅しており、公式YouTubeも2007年の更新を最後の状態であり、バンドの状況はつかめない。
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