CHILDREN OF BODOM アルバム紹介

Review
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CHILDREN OF BODOM(チルドレン・オブ・ボドム)はフィンランドのメロディック・デス・メタルバンド。2019年に5人中3人が脱退し、しかも名前の使用権利もその3人が所有しているという分裂事件が発生した。残った2人のメンバーは楽曲から名前を取ったBODOM AFTER MIDNIGHT(ボドム・アフター・ミッドナイト)を2020年に結成した。実質的な後継はこのバンドであったが、中心人物のボーカル・ギターのアレキシ・ライホが2020年の12月末に亡くなったため、終焉となった。

2019年の分裂事件の詳細はこちらをどうぞ。

管理人はデス・ボイスやデス・メタルが苦手であった。にもかかわらずCHILDREN OF BODOMが好きなのは、やはりメロディックな点が一番だろう。ほかにもネオクラシカルにも通じるギターやキーボードの存在もある。ジャンルの中で異彩を放ち、シーンを盛り上げたこのバンドの功績は非常に大きい。

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FOLLOW THE REAPER (2000年)

おすすめ度:☆☆☆☆
3rdアルバム。初期衝動、若さからくるクサメロが爆発しつつもメジャー感がありバランスのよくまとめた名作。キーボードのキラキラ感がまた魅力的だ。キラーチューンのタイトル曲#1で泣く子も黙る。複雑でテクニカルなんだけど聞きやすく構築美さえ感じる#2はアレキシ・ライホがのちにバンド名と使用することになた。ミドルチューンの#4もアルバムの緩急をつけるだけにとどまらず、いい出来だ。不気味なシンセで始まる疾走チューン#7は管理人いちおしの曲。COBの魅力が凝縮されている。アルバム全編にわたって、北欧のサウンドが息づいている。

HATE CREW DEATHROLL (2003年)

おすすめ度:☆☆☆☆
4thアルバム。洗練されたメインストリームのメロディック・デス・メタルの傑作。#1はバンド屈指の名曲だ。強力だ。#2も前曲に劣らずかっこいい。#5はミドルテンポな曲ながら、美しさにうっとりする出来だ。後半もアグレッシブさは低下することなく、タイトルチューンの#9で最高潮のまま終わる。クサさや北欧の哀愁感が薄れたのは成長とみるべきだろう。母国フィンランドでは初めてアルバムチャートで1位を記録した。

ARE YOU DEAD YET? (2005年)

おすすめ度:☆☆☆
5thアルバム。#1がミディアムテンポで重厚感のある曲になり、かっこいいのだけどかつてのクサメロからの脱却を確実なものにしたショックを感じた。タイトルチューンの#2もメタルコアのような曲で、バスドラの連打がガツンとくるかっこいいのだが。このバンドの目指す音楽とファンが求める音楽の乖離がはっきりとしてしまった。#8はかつての名曲を彷彿とさせる耳に残るメロの曲だ。インタビューでアレキシは「全弦ドロップD+6弦のみC(=ドロップCチューニング)」という通常より1音から2音下げたチューニングにし、ヘヴィなサウンドにしたと話していた。このアルバムのサウンドもかっこいいけど、これを聴いてCHILDREN OF BODOMがわかったとは思ってほしくないな。

BLOODDRUNK (2008年)

おすすめ度:☆☆
6thアルバム。オーケストラヒットでかつての面影を感じるがバンド史上最強と思われるブルータルさが出た#1で、SLAYERっぽいフィーリングがあり、バンドの目指している音楽が伝わってくる。高い演奏技術によって生み出されるヘヴィなサウンドがかっこいいのだが、クサメロやクラシカルな要素は皆無である。キーボードの主張が多くなったのはよい。このアルバムは各国でチャートインし、バンドの成功作となった。

RELENTLESS, RECKLESS FOREVER (2011年)

おすすめ度:☆☆☆
7thアルバム。SLAYERの作品を手掛けたアメリカ人のマット・ハイドがプロデューサーである。#1でキーボードがしっかりと入っている。またギターソロのメロがいいぞ。モダンなメインストリームのサウンドではあるのだが、少し昔懐かしい香りする。#2ベースのイントロから爆裂に疾走する曲。こちらもギターソロのメロがいいぞ。タイトル曲の#5が新機軸でいいかも。ミドルテンポだが、聞きどころが満載だ。#7のギターソロも印象的だ。ラストの#9がアグレッシブなんだけど耳に残るメロが織り込まれていて、このアルバムのハイライトかも。本作はここ最近の彼らの音楽に印象的なギターソロが戻ってきて好印象。あとはキラーチューンがあればよいのだが。蛇足であるが、1stアルバムから続いた「Bodom」の名前のつく曲が初めて収録されなかったアルバムである。

HALO OF BLOOD (2013年)

おすすめ度:☆☆☆
8thアルバム。インタビューでアレキシはメロディ重視になったが、狙ったわけではないと話していた。#1のメインリフは初期のスタイルに近いかも。#2のタイトル曲は超速い。ブラストビートもさく裂する。#4も初期のスタイルに近い。#7のAメロの歌い方、新しいな。#9はロックンロールな軽快さもあり、気持ちいい。音作りが重厚感を少し落とすことで、かつての北欧のサウンドに近くてそこもいい。ボーナストラックにLOUDNESSの”Crazy Nights”を収録しており、コーラスはCOBに変えて歌っている。

その後

2015年に”I WORSHIP CHAOS”を発表し、2019年に”HEXED”を発表した。前述のとおり、2019年末にバンドは解散し、実質的な後継バンドであったBODOM AFTER MIDNIGHTも2020年末のアレキシ・ライホの逝去を受けて解散となった。

どうしても3rdか4thまでが名作というイメージの強いCHILDREN OF BODOMであったが、久しぶりに聞いてみると近年の作品もよさを感じた。アレキシ・ライホの急逝が残念でならない。改めてご冥福をお祈りします。

“Follow The Reaper” from 3rd album “FOLLOW THE REAPER”
“Needled 24/7” from 4th album “HATE CREW DEATHROLL”


名盤の3rdアルバム
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同じく名盤の4thアルバム
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“Hate Me!” from 3rd album “FOLLOR THE REAPER”

イントロのあやしいシンセ、その後の泣きメロ、そしてオーケストラヒット。青色のジャケットもこの北欧のサウンドのイメージにピッタリ。このアルバム、この曲、最高だ。

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