トヨタハイブリッド車の中大型向けを考える

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トヨタハイブリッド車の考察もこれで3回目。今回は中大型向けと書いたが、ずばり2.5Lエンジンを用いたハイブリッドシステムである。

この2.5Lエンジンのハイブリッドシステムを搭載した車種はカムリ(9代目、10代目)、クラウン(14代目、15代目、16代目)、RAV4(5代目)、ハリアー(4代目)、アルファード(3代目)、ヴェルファイア(2代目)ほかレクサス車も。

アルファード/ヴェルファイアの現行モデルは2015年に出ているため、7年が経過してそろそろフルモデルチェンジが来るかもしれない。そのあたりもデータを見ながら考えてみたい。

ちなみにタイトル画像は9代目カムリのカタログから。

9代目カムリ

きれいなデザインであったので、カタログをもらって保存していた。高くて買えなかったけど。

このモデルからカムリはハイブリッド専用車となった。

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2.5Lハイブリッド車のデータ

データを見ていこう。

2.5Lエンジンを搭載したトヨタハイブリッドシステムの車のデータ

黄色塗りつぶし部分は換算した値のため、参考程度としてほしい。

※換算については前回の記事を参照してほしい。
 10・15→JC08はネット上の数値85%を採用した。

第3世代2AR~というエンジン型式で、第4世代A25A-FXSという型式ということがわかる。

このA25A-FXSは2017年の現行カムリ(10代目)から採用された。TNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)というトヨタの新しい車づくりの思想は2015年のプリウスから始まった。しかし、このプリウスのエンジンは2ZR-FXEという従来のものの進化版であった。しかし、2017年に出たカムリからはエンジンもA25A-FXSという新しいものになり、エンジンにもTNGAが入った。シャシーのTNGAにエンジンのTNGA、真のTNGAに基づいた車の第1弾はカムリともいえるだろう。

A25A-FXSが2AR~からどのくらい変わったか、カムリがエンジンも含めてTNGAの思想が入った第1弾である旨は下記の記事が詳しい(Motor-Fanの内容はマニアックで面白い)。

内燃機関超基礎講座 | 大きな横置きTHS用エンジン:カムリの[A25A-FXS]|ハードトップ|Motor-FanTECH[モーターファンテック]
トヨタ・カムリが搭載するパワートレーン:直列4気筒2.5ℓエンジンについて、各部詳細を眺めてみよう。

表をグラフにして、確認していこう。

2.5Lエンジンを搭載したトヨタハイブリッドシステムの世代別の車重と燃費の関係

第3世代は1500~2200kgまで幅広い車重に対応している。
第4世代は車重が1500~1800kgまで。
第4世代は車重増加による燃費低下の割合が第3世代よりも大きい。

この傾向はプリウスやヴォクシーに使われている1.8Lのトヨタハイブリッドシステムと同じである。

アルファードとヴェルファイアの新しいモデルは第4世代そのままでは使えないだろう。図の赤線の2200kgあたりを見ると、緑線の下側に位置する。
つまり第4世代は第3世代の燃費より悪化することを意味する。

ノアとヴォクシーのように第5世代となるか、はたまた超絶改良で第6世代となるか。第3世代の基本をそのままに改良した第3世代改となるか。この2.5Lという排気量にこだわらず、新設計となるか。

次に、特に進化の度合いが大きい第3世代から第4世代について同一車種での比較をグラフで確認しよう。

2.5Lエンジンを搭載したトヨタハイブリッドシステムの同一車種での車重と燃費の関係

第3世代が青色、第4世代が赤色である。カムリは車重がほとんど変わらず、燃費は大幅に向上している。一方、クラウンは車重が増えたため、燃費の向上率はカムリに劣る。第4世代のクラウンは15代目、2022年9月発売の16代目の2つあるが、16代目のほうが重量増に対する燃費の向上が大きい。これは駆動方式をFRからFFベースの4WD(トヨタではE-Fourと呼んでいるリアにモーターを配置した電気式)ことによる効果かもしれない。

まとめ

トヨタハイブリッドシステム(THS)の2.5Lエンジンを用いたモデルを確認した。

第3世代は2AR~というエンジン型式であるのに対して、第4世代はA25A-FXSというエンジン型式になった。

1.8Lエンジンを用いたハイブリッドシステムと同じく、最新の第4世代では車重が軽いほど燃費はよいが、車重が重くなると燃費が下がる傾向が第3世代よりも大きい。

そのことから第3世代を搭載しているアルファードとヴェルファイアはフルモデルチェンジが予定されているが、第4世代をそのまま搭載することはできない。最新モデルで燃費が下がることはトヨタのプライドが許さないだろうし、カスタマーも受け入れられないだろう。

以上のことから、アルファードとヴェルファイアはフルモデルチェンジで新しいトヨタハイブリッドシステムとなる可能性が高い。ノア/ヴォクシーと同じ第5世代となるのか、それ以上の進化をして第6世代となるのか、2.5Lという排気量にこだわらず変えてくるか。

事実、アルファードとヴェルファイアは現行の1つ前のモデルでは2.4Lのエンジンを用いたハイブリッドシステムを使っていた。排気量が変わることはあり得ないことはない。

どうなるか、続報を楽しみに待ちたい。

’23/6に新型アルファード/ヴェルファイアが発表された。性能確認の詳細はこちら。

’23/11 クラウンスポーツとクラウンセダンが発表された。性能確認の詳細はこちら。

データ出典

現行モデル

トヨタ自動車WEBサイト
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生産終了モデル

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