LOUDNESS – “SOLDIER OF FORTUNE” 30周年記念盤発売

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日本が世界に誇るヘヴィメタルバンドLOUDNESSの名盤“SOLDIER OF FORTUNE”のリリース30周年を記念したスペシャルなアルバムがリリースされた。詳しくは下記のリンクを確認してほしいが、ディスク4枚にもわたる超豪華版である。リマスターのアルバムはもちろん、ラフミックスやカラオケ、そしてベースの山下昌良が保存していた当時のデモ音源、MVやNHK番組出演映像、2015年のマイク・ヴェセーラを迎えてLoud Park 15に参加したときの映像付きだ。

LOUDNESS「SOLDIER OF FORTUNE 30th ANNIVERSARY LIMITED EDITION」 | Warner Music Japan
LOUDNESS「SOLDIER OF FORTUNE 30th ANNIVERSARY LIMITED EDITION」に関する詳細ページです。

このアルバムはLOUDNESSの中でも特別である。ボーカルの二井原実が脱退して、アメリカ人でのちにYNGWIE MALMSTEENに加入するマイク・ヴェセーラを迎えての初のアルバムだ。「伊藤政則のロックTV」に参加したベースの山下昌良が今作の思い出を語ってくれた。

二井原実の脱退は大人の事情で、ギターの高崎晃もドラムの樋口宗孝も了承していたと山下は話した。伊藤政則は「クビ」という表現をしていたが、肯定も否定も避けたような形だ。一方でYOUNG GUITARの「100%高崎晃」では、高崎は「ニイちゃんもハッキリ言っているように、あれは解雇だった」と話した。前のアルバムからプロデューサーがアメリカのシンガーを連れてきて、英語歌詞や仮歌を手伝ってくれた。みんなうまくて、アメリカのシンガーとやりたくなった。もっともっと世界の上を目指すため、英語の歌詞という面を強力にしたいという思いもあって。二井原実には辞めてもらって、ボーカル不在の状態からボーカルを探したと高崎は語っている。

ボーカルオーディションのカセットは多かったため、まず山下が聞いてよいと思うのをピックアップしたという。日本人の候補は10くらいで、中には現在某バンドで活躍している人もいるようだ。プロデューサーのロジャー・プロバートがすごいボーカルがいるぞと話をもってきた。その男はエニグマの最終兵器と言われ、所属バンドのオブセッションが最近解散したという。山下はタワレコでカセット買った(時代を感じる)。そのカセットで「なんだ、このハイトーンは」となって、そのボーカルであるマイク・ヴェセーラを呼んだ。銀座おもてなしをしてあと、カラオケに行ってフランク・シナトラの”My Way”を歌った。ヘヴィメタルはカラオケになく、英語で歌えるものを探したらその曲になったようだ。歌うたびにオクターブを上げていって最後シャウトで、ノックアウトされた。そうしてマイク・ヴェセーラが加入する運びとなった。

ラウドパークでマイク・ヴェセーラを迎えたライブのときは回路ぐちゃぐちゃで、演奏側のモニタの音がおかしかった。せっかくのライブだったが、マイク・ヴェセーラがかわいそうだったと山下は話していた。伊藤政則はライブパフォーマンスについてマイクをほめて、「これならツアーがあるよ」とまで話したが結局実現はしなかった。

30周年記念盤のマスタリングは高崎が3, 4回やり直しをさせて、とことん音圧にこだわったという。山下はこのアルバムについてやっと外タレになったなとコメントしていた。二井原実も英語はうまかったが、やはり本物のアメリカ人を迎えたこのアルバムは日本のバンドとはわからないだろう。山下おすすめ曲としては2つのバラード(”Twenty Five Days From Home”と”Lost Without Your Love”)にプログレ要素の入った”Faces In The Fire”だという。
高崎はこのアルバムについて、今もメタル・ファンの間では人気があって、俺自身も結構な完成度だと思うとYOUNG GUITARの「100%高崎晃」にて語った。

管理人的にもこのアルバムは名作だと思う。もともとTAIJIが参加した第3期LOUDNESSの”LOUDNESS”から入っていたが、これはこれでかっこいいのだけど、PANTERA化と言われていて、最初はピンときていなかった。今では大好きだが。逆に、この“SOLDIER OF FORTUNE”はかっこいい。1曲目のタイトル曲”Soldier Of Fortune”がLOUDNESSの中でも屈指のキラーチューンで、イントロもサビもギターソロもかっこいい。ギターソロはピロピロ鳴っていて、最初は何が何だかわからないけどすごいって状態だった。バラードを2曲入れているのもアルバムに緩急をつける意味でいい味を出していると思う。ラストナンバーがアルバム最速となる”Demon Disease”というのもかっこいい。全編にわたってギターの高崎晃の暴れっぷりが気持ちいいのだ。

マイク・ヴェセーラがボーカルを務めたのは“SOLDIER OF FORTUNE”と次の”ON THE PROWL”で終わった。その理由について高崎は、マイクとは1回アメリカ・ツアーに出たけど、スタジオのようにうまくいかなかったな。マイク1人の責任じゃなくて、俺たちの演奏も悪かったのかもしれないな。今のようにイヤー・モニターがあったらまた状況は違ったんだろうけど、と語った。

「伊藤政則のロックTV」に参加したベースの山下は、2020年10月の時点で新曲は16曲あり、残っている作業は全曲分の歌撮りと数曲分のギターソロだと話した。ニューアルバムが全曲で2枚組になるのか、半分捨てて1枚のアルバムになるのか、それとも分けて1枚出して半年後にまた1枚出すかと話していた。さて、どうなるか楽しみである。

ちなみに現在のラインナップでの最新
LOUDNESS – “Soul On Fire” from “RISE TO GLORY” (2018)

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