急激に泣きギターの特集を組んでみたくなった。紹介する楽曲はボーカルメロディの良さはもちろん、ギターの泣きメロディに酔いしれることができる。感情を昂らせて、思わず涙しそうな、あるいは慟哭したくなるような、そんな心を揺さぶる5つの楽曲となっている。
MICHAEL SCHENKER GROUP – “Into The Arena”
ドイツのハードロックバンドMICHAEL SCHENKER GROUPから。このアルバムの日本語タイトルは「神」とあることから、ギターのマイケル・シェンカーは「神」と言われることが多い。その中でも特段神がかっている楽曲がこの曲だ。3連符のところもフックになっているが、ラストに強烈な泣きギターが待っており、聞き終わったときには昇天させられる。イギリスのUFOに加入したが、うまくいかなくて、だいぶ苦悩したようだ。そのときの経験が、この自身の名を冠したバンドの1stアルバムにつながったのだと思う。
RAINBOW – “I Surrender”
イギリスのハードロックバンドRAINBOWから。ギターは言わずと知れたリッチー・ブラックモア(元DEEP PURPLE)である。この曲はアメリカでのヒットチャートを狙いにいっていることが見え見えだが、逆にそれがよい。ポップスよりになっているが、確かにメロディに「らしさ」がある。それ以上に弾きまくりなギターソロに、泣きがある。ボーカルはジョー・リン・ターナー(RAINBOWの後にYNGWIE MALMSTEENに加入)。話題がそれるが、リッチー・ブラックモアはよいボーカルを見つけてバンドを組むのがうまいと思う。
YNGWIE MALMSTEEN – “Brothers”
スウェーデンのネオクラシカルメタルのYNGWIE MALMSTEENから。「王者」とも呼ばれるギターのイングヴェイ・マルムスティーンは亡くなった自身のお兄さんのために作った楽曲である。速弾きのイメージの強い彼が放つ切なくも美しいメロディの良さ、そしてそのギャップにノックアウトされてしまった。この動画は昨今のSTAY HOME期間中に撮影されたものである。
ARCH ENEMY – “Fields Of Desolation”
スウェーデンのメロディック・デス・メタルのARCH ENEMYから。実はデス・メタルが苦手なんだけど、このバンドは特別で好き。ギターのマイケル・アモットの泣きギターに胸をえぐられる。このメロディは北欧ならではなのかもしれない。絶望的で悲哀に満ちたそんな曲。弟のクリストファー・アモットはARCH ENEMYでは兄貴を立てて泣きギターを封印し速弾きに徹しているが、ソロプロジェクトのARMAGEDDONでは泣きギターを奏でており、兄弟そろって非凡の才能を持っている。
GALNERYUS – “Silent Revelation”
日本が誇るメロディック・スピードメタルのGALNERYUSから。ギタリストのSyuはとにかくギターがうまい。そして、ソングライティングのセンスも抜群である。彼らのデビュー時は不思議なコスチュームを身に着けていたが、今はカジュアルな服装である。Syu自身の趣味ではなく、レコード会社の意向であると思いたいが。哀愁漂いながら疾走感もあるというなんと気持ちのよい曲だこと。
素敵な楽曲、泣きギターを生み出した彼らにスタンディングオベーションである。ここに挙げたのはあくまで彼らの中で有名なもので、掘り下げていけばもっとある。興味を持ったバンドについてさらに探して聞きこんでいただければ幸いである。また、ほかにも泣きギターをフィーチャー楽曲もあるので、こちらを足掛かりに調べてもらえたらと思う。
以下、番外編を。
GALNERYUS – “Everlasting”
上述のバンドのカジュアルな服装になってからのMVを。これがまたリフが泣いていてすごくいい。先ほどのMVで「コスチュームが・・・」と思った方はこちらを見ていただきたい。
ブルースの流れをくむギタリストたち。
JEFF BECK – “Cause We’ve Ended As Lovers”
https://open.spotify.com/album/6fhTDVBs7qeoP3254hMu6u?highlight=spotify:track:4zoQ3EqopTIGmK2c2rPV5t
3大ギタリストのひとりでイギリス人のジェフ・ベックの超有名な曲。日本語タイトルは「哀しみの恋人達」である。泣きギターはさることながら、ギターの深み、どうやってこんな音を出しているのだろう。ギタリストならぜひとも聞いておいてほしい1曲であるし、収録アルバムの”BLOW BY BLOW”も必聴アルバムである。
GARY MOORE – “The Loner”
https://open.spotify.com/album/7HSONsw7mumBE5q0e7KJW2?highlight=spotify:track:5WQC3PGajELM3QpHWIsbQg
イギリスのギタリストのゲイリー・ムーアの楽曲。2014年のソチ五輪でフィギュアスケート選手の羽生結弦が彼の楽曲「パリの散歩道」を使用したので記憶に新しいかもしれない。上述したジェフ・ベックの影響を受けており、こちらも泣きギターの応酬がすごい。本当に残念なことに、彼は2011年に心臓発作で急逝した。
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