CAIN’S OFFERINGのボーカルとギターの二人による2012年のアコースティックアルバム。
STRATOVARIUSのボーカルのティモ・コティペルトが元SONATA ARCTICAのギターのヤニ・リマタイネンに声をかけてこのアコースティックアルバムを制作することになったという。
前置き
CAIN’S OFFERINGとしては2009年にデビューアルバムを出したがライブ活動はなく、ファンとしては続報を待っていたところであった。そこにアコースティックアルバムであったため、CAIN’S OFFERINGの2ndアルバムを作ってくれたらとぼやいてしまったものだ。
しかしながら、CAIN’S OFFERINGは2015年に2ndアルバムを出すので、当時の自分には安心してほしいものだ(謎)。CAIN’S OFFERINGのアルバム紹介はこちら。
そして何よりこのアルバムだ。新曲こそヤニ・リマタイネンのペンによる1曲だけだが、STRATOVARIUSの往年の名曲、ティモ・コティペルトのソロであるKOTIPELTO、SONATA ARCTICAのヤニの曲のアコースティックアレンジバージョンが聴ける。彼らのルーツであろう、ゲイリー・ムーア、DEEP PURPLE、RAINBOWなどのカバーも聴ける。
ボーカルとギターのみ。ほかの楽器はなし。でも、一発撮りではなく、歌もギターもちゃんと重ねている。
ティモ・コティペルトの声をじっくりと聴ける。夜にしんみりと聞くのもよいし、ドライブや出先でのBGMでもしっくりくる。味わい深いアルバムだ。
各曲紹介
- Sleep Well
KOTIPELTOの3rdアルバム”SERENITY”に収録の曲。シングル曲でもあり、勢いがある。原曲そのままに勢いを残したアレンジとなっている。 - Out In The Fields
GARY MOOREの7thアルバム”RUN FOR COVER”に収録の曲。強烈なインパクトのあるギターイントロこそないものの、Aメロを聴けばこの曲だとわかる。ノリノリな部分は原曲と同様。 - Black Diamond
STRATOVARIUSの6thアルバム”VISIONS”に収録の曲。あのチェンバロによるイントロをギターで再現。ただし、原曲が疾走曲であったのに対し、こちらはしんみりアレンジだ。だがそれがよい。心にしみる、そんな曲に仕上がっている。 - My Selene
SONATA ARCTICAの4thアルバム”RECKONING NIGHT”に収録の曲。原曲の勢いを活かしたアレンジになっている。この曲はティモの声に合っている。 - Behind Blue Eyes
THE WHOの5thアルバム”WHO’S NEXT”に収録の曲。予想外のバンドの楽曲をチョイスしている。でも、楽曲を聴けば、アルバムの中で浮くこともなく、しっくりくる。 - Hunting High And Low
STRATOVARIUSの8thアルバム”INFINITE”に収録の曲。しんみり始まって、原曲との違いに驚く。しかし、Bメロからはノリノリに。やはりこうでなくちゃね。 - Where My Rainbow Ends
ヤニ・リマタイネンによる新曲。メロが秀逸な良曲。彼らのCAIN’S OFFERINGでもバンドアレンジで発表してくれるのでは、と期待したのは管理人だけではないはず。 - Speed Of Light
STRATOVARIUSの5thアルバム”EPISODE”に収録の曲。原曲と違いすぎて衝撃を受ける。最高速の楽曲が、超絶しんみりアレンジに。 - Perfect Strangers
DEEP PURPLEの11thアルバム”PERFECT STRANGERS”に収録の曲。珍しく荒々しいティモのボーカルが聴ける。 - Coming Home
STRATOVARIUSの6thアルバム”VISIONS”に収録の曲。原曲がバラードのため、相性抜群。なんのひねりもないという声が聞こえてきそうだが、そんなことはお構いなしの名曲だ。 - Serenity
KOTIPELTOの3rdアルバム”SERENITY”に収録の曲。キャッチーな原曲に忠実なアレンジ。 - Rainbow Eyes
RAINBOWの3rdアルバム”LONG LIVE ROCK’N’ROLL”に収録の曲。原曲どおりのバラード。ロニー・ジェイムス・ディオへのトリビュートでもある。 - Karjalan Kunnailla
フィンランドの民謡。海外盤ではこの曲が本編のラスト。 - Beauty Has Come
日本盤のボーナストラック。KOTIPELTOの1stアルバム”WAITING FOR THE DAWN”に収録の曲。バラードであるが今回のアレンジのほうがサビのティモの声が強調されていて、好きかも。ラストの「Uh」も感動的だ。
まとめ
前置きでかなり前のめりに書いてしまったが、ティモ・コティペルトやヤニ・リマタイネンのファンであれば聞いてほしいアルバムだ。
たまにはこういうアルバムもいいよね。
買うなら絶対にボーナストラックのある日本盤がおすすめであるが、2023年現在では新品では入手困難と思われるのがやや残念である。
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